内容説明
首里城、筑波山、ウラジオストク、モンゴルの草原……
何のために旅に出て、何を思い、何を目指すのか。SF作家の目を通して楽しむ新感覚旅行記。
2019~2021年note投稿作品を大幅に加筆・修正した海外編4柞&国内編8柞、さらに[架空旅行記]として書き下ろし短編小説2作(月面編/日本領南樺太編)を加えた。
──だいたい僕はどこへ行っても似たようなことをして、似たようなことを考えている。そこには環境によらない恒常的な自己同一性みたいなものがうっすらと見えてくる。(あとがき より)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
なっぱaaua
54
「横浜駅SF」や短編集でお馴染みのSF作家柞刈湯葉氏の旅行記。この人の文体は馴染むので自分には合っていると思っている。旅行記ですが何か為になるかといえばそうでもなく、感性を教えてもらい無駄知識の様なものだけが残りますが、それで良いのだ旅なんて。特にイトマンスイミングスクールは糸満市と関係があるって自分も思ってたので「伊藤萬」だったのは結構驚いた。どうでも良い話だが。大人の青春18きっぷの使い方は成程と思ったが、その使ったルートはどうだろうか。~続く~2022/10/11
路地
48
軽妙で緩い紀行文ながら、架空の地への旅になった途端に饒舌になるところがSF作家ならではという感じで楽しい。ノリツッコミに柞刈さんの頭の良さが垣間見える。2023/04/07
山田太郎
22
あんまり期待せずに読んだらえらく面白いテンポいいというか文章上手というか作家だから当たり前と言われそうだけど。旅行行きたくなるというか家族で行くとあれはイヤだの文句多いので、最近一人であちこち行くのが好きですが。小説も持ってたので、読んでみようかと思いました。2023/08/21
yyrn
21
小説家になる前の研究者時代から国内外に出かけ、小説家になってさらに拍車がかかり、アチコチに出かけては旅先で見聞きした際に頭に浮かんだことを友達にダベるように綴っている本。また現地に行った際には役立つような?理科系的な小ネタやTipsがたくさん紛れていて、そこも楽しい。▼カナダで国境越え→能登半島の先端へ→上海でリニア乗車→伊豆大島の砂漠→ウラジオストク→琵琶湖に浮かぶ島々→モンゴルの草原で4日間の乗馬ツアーキャンプ→静岡の油田→チバニアンと鋸山→筑波山登山⇒月旅行記?⇒カラフト旅行記?さあ、もっと行こう!2023/04/01
みなみ
20
海外・国内の旅行記と架空編の月面と南樺太の旅行記をまとめたエッセイ。同じ体験をしても、感じ方や言葉での表現の仕方は人それぞれだと、この本を読んで改めて感じる。冷静に突っ込みを入れている著者の言葉のセンスは、今の自分の感覚にちょうど合っていて楽しめた。モンゴルでの乗馬体験をする一方で、千葉の地層をゆるりと見に行ったりとバリエーションも豊か。特に月面旅行はリアルで、本当に行ってきたみたい。2024/01/31