内容説明
ヘレンが隣家で見つけたガラスパイプは、麻薬密売に関する重要な証拠品だった。もし警察が隣家へ捜査に来てしまったら、バレてしまうかもしれない――かつての罪から逃れるためにヘレンという偽名を名乗っていることが。窮地を脱すべく彼女は策を練るのだが……
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ナミのママ
55
主人公は70代の独身女性ヘレン。合鍵を預かっていた隣人ドムの安否確認に訪れたところから事件に巻き込まれる。ヘレンには知られたくない別の名前があった。過去と現在の２つの事件をめぐるフーダニットミステリ。どちらもテーマは重いが読みやすいのは現在のヘレンが暮らすサンシティ。アメリカに実在するシニアタウン。敷地全体が高齢者向けの高級住宅地でゴルフ場、テニスコート、文化施設等がある。事件はこのシティで起こり、賑やかな高齢者がたくさん登場する。手放しで賛成はできないもののこの暮らしは本筋とは別に、魅力があり楽しかった2022/09/19
み
26
先が気になり一気読み^ ^お話しのスジを思い返すと、暗い陰湿なのに、そんな空気を感じずに楽しみました。オススメします。2023/01/07
イエローバード
19
高級シニアタウンで暮らす70代のヘレン。隣家で殺人事件が起き、過去に訳ありの彼女は警察から逃れつつ、犯人の狙いを探るが……。彼女の悲しい過去が挟まれる構成で、シニア〝あるある”のおかしさ＆過去の事件のハラハラドキドキでひさびさに一気読みのおもしろさ。平穏に見えて、でも女性にとっては不自由な1950年代のパートが読んでいて泣けてきた。最後もうまい。YAのベストセラー作家の著者はヘレンと同じ70代とか。次作も期待。2022/11/23
アプネア
17
好奇心は猫をも殺す。ヘレンが隣家に不法侵入し、発見した美しい龍のガラスパイプは、麻薬密売に関連するものだった。もし警察が乗り込んできたら、バレてしまう、自分がヘレンと偽名を名乗っていることが･･･。高齢者向けの住宅地での、のんびりとした日常が一変する。どこに連れて行かれるか、わからないサスペンス。過去のシーンが、どうしてそうなっちゃうのと、ツッコミを入れたくなる悪手の連続で終止もどかしい。当時はそうだったのと言われてもねぇ･･･。2022/11/03
スイ
15
親族であってもー！！人の情報を勝手に喋ったらだめーーーーー！！！！！ 過去も現在もそれで窮地に陥る「ヘレン」が哀れでならなかった。 数十年挟んだ二つの殺人事件を行ったり来たりして次第に真相が明かされていくのだけど、進め方がとても上手く、混乱することも間延びを感じることもなかった。 あなたが好きだよヘレン。2022/10/21
