内容説明
近い将来、地球温暖化対策で多くの自動車規制が始まる。欧米ではガソリンエンジンの新車販売の禁止、中国は国内の新車販売をすべて環境適応車に変更する。このような世界情勢を前にしても、日本政府は既存産業への配慮と圧力から有効な手立てを打てない。経産省の自動車課に籍を置く瀬戸崎は焦りを募らせる。このままでは、日本の自動車関連就業人口534万人のうち多くが路頭に迷う可能性がある……。時代を予言する作品を数多く刊行してきた著者が、日本経済に警鐘を鳴らす禁断の小説。待望の文庫化!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
サンダーバード@読メ野鳥の会・怪鳥
112
EUではハイブリッドを含むガソリン車を2035年に禁止すると決定した。中国でも2035年にEVとハイブリッド車のみにすると宣言したが、その中国も一気にEVに舵を切る可能性は否定できない。何しろ国民がどう思おうと国家が強制的に実行できる国だ。最大の市場である中国がそうなったら…。日本もEV化を早めるしかないのだろう。小説であるが故にかなりステレオタイプ的に描いてはいるが、シナリオとしては充分あり得るように感じた。そうなった場合問題なのは自動車メーカーよりはインフラ整備と電力供給ではないだろうか?★★★+2022/09/14
ばんだねいっぺい
24
現実を受け止めたときに起こる、さまざまな面倒事を想像して、なんやかんやと言い訳して、取り返しのつかないタイミングまで持ち越していく。とある産業のようであり、まるで自分のようだ。人間だもので国が沈む。2025/05/28
佐藤(Sato19601027)
6
官主導の大改革。その鍵が詰まっている。日本は本当にEV化に乗り遅れるのか。2023/05/09
higassi
6
★★★★☆ 立ち寄った書店で目に留まった一冊。単行本の出版からの1年でも脱炭素の動きは一気に加速しましたが、著者が指摘する政府や産業界の状況は今でも十分に的を捉えていると感じました。登場人物たちがステレオタイプな印象ですが、その分かりやすさ故に本題に集中できて、著者の作品の良さでもあります。2022/10/03
ohion
6
実に面白かった。CASE、大変革と言いつつ、日本の自動車産業界は何か変わったのか。危機感が感じられない。ここで語られたように凋落の一途を辿っているのではないか。経産省官僚が必死に自動車業界を、日本経済、国力をなんとかしようと奔走する様にひかれる。この本もまた予言の書となるのか。2022/09/16
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