小学館文庫<br> 私たちは25歳で死んでしまう

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小学館文庫
私たちは25歳で死んでしまう

  • 著者名:砂川雨路【著】
  • 価格 ¥748(本体¥680)
  • 小学館(2022/09発売)
  • ポイント 6pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784094071764

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内容説明

この異常が、私たちの日常。

未知の細菌がもたらした毒素が猛威をふるい続け数百年。世界の人口は激減し、人類の平均寿命は25歳にまで低下した。人口減を食い止め都市機能を維持するため、就労と結婚の自由は政府により大きく制限されるようになった。そうして国民は政府が決めた相手と結婚し、一人でも多く子供を作ることを求められるようになり――。

結婚が強制される社会で離婚した夫婦のその後を描く「別れても嫌な人」。子供を産むことが全ての世の中で“子供を作らない”選択をした夫婦の葛藤を描く「カナンの初恋」など、異常が日常となった世界に生きる6人の女性たちの物語。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

びっぐすとん

12
初読作家さん。書店で題名が気になっていた本。若い人向けのちょっと病んでる系の若いコの話かな?と思ってたら、もっとSFで、切ないいい話だった。いい意味で裏切られたというか、読み応えがあった。昔の人は短命だった、日本の未来を変えようとした竜馬だって、見るべきほどのものは見たと語った知盛だって30前半だ。25歳前後で死んでしまうと誰もが諦観している世界。私なら2回死んでる計算で、25歳の私なんて時間の貴重さも何も判ってはいなかった。老化して初めて時間や失いつつあるものの大切さに気づいている今、じんわり響く。2024/01/04

めぐ

12
平均寿命25歳の世界を描いたディストピア連作短編集。短命なだけでなく、住む場所、就職先、結婚相手まで全て政府が決め、産んだ子供は半年後には政府に取り上げられて一生会えなくなる。人類の家畜化の極みで、とんでもない鬱小説だ。生後半年の子供を取り上げられるシーンでは同じ月齢の子がいるせいで我が事のように感情移入してしまい、流石に気分が悪くなり、慌てて本を閉じて買い物に行ってしまった程にはメンタルブレイクした。2、3回泣きもしたが、既に鬱気味な人には、これに比べれば自分は恵まれていると幾らか慰めになる可能性も…2022/11/10

サンライズ

4
人類の平均寿命が25年の世界が舞台のSF短編集。高校一年生で大人扱いになり労働、結婚出産育児を十年弱の間に済まさなければならない超圧縮された人生プランを強要されるというディストピアぶりは面白いが、これだけ色々考えられそうな世界観を作っておきながらどの短編も刺激がなく、期待はずれに終わった。2022/11/18

withyuko

3
みんなが25歳で死んでしまう世界、考えたこともなかった!想像力がすごい。でも、多数の短命の人々の中に少数、長命な人もいて、やっぱり世の中って平等じゃないのね。15歳で成人して統一政府によって決められた人と結婚してできるだけ多く子供を産んで、25歳前後で死ぬって、、、しかも仕事とかも希望は出せるけど、10年ぐらいしか勤続できないから決められた仕事に就いて、もう何の自由もないやんという絶望的な社会。今の社会のありがたさがわかる1冊でした。2022/10/08

Erika

2
現在問題となっている超高齢化の真逆で、短命が運命づけられているディストピアの世界を描いた作品。 人間を増やす為に国が全てを管理する合理的な制度と社会は、将来有りそうな気がして恐ろしかった。遺伝子の相性によって決められた結婚、国が決めた職場、子供を産めば産む程手厚くなる保証、等。稀に発生する長命種の人間は、長生きする程に多くの大切な人を見送らなければならない運命に苦しむ。社会が望む事は本当に自身が望むことでもあるのか、考えるきっかけになった。2023/09/14

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