講談社選書メチエ<br> アトランティス=ムーの系譜学 〈失われた大陸〉が映す近代日本

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講談社選書メチエ
アトランティス=ムーの系譜学 〈失われた大陸〉が映す近代日本

  • 著者名:庄子大亮【著】
  • 価格 ¥2,310(本体¥2,100)
  • 講談社(2022/09発売)
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  • ISBN:9784065293805

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内容説明

はるか昔、栄耀栄華を極めながら、一夜にして海中に沈んだ大陸があった――こんな伝説とともに語られるアトランティス大陸やムー大陸。誰しも子供の頃に、その謎に夢中になった記憶があるのではないだろうか。とりわけ日本は、ムー大陸に日本人の起源を見出そうとした戦前の軍高官から戦後のポップカルチャーに至るまで、言わばこの伝説に長く深く取り憑かれてきた。なぜ、我々は失われた大陸に惹かれてやまないのか。伝説の起点ともいえるプラトンから繙き、その複雑にして数奇な伝説受容を辿る野心作!

プラトンが紀元前四世紀に、著作のなかでアトランティス大陸について記して以来、ムー大陸やレムリア大陸を含む、いわゆる「失われた大陸(Lost Continent)」は2000年以上にもわたって、私たちを魅了し続けてきた。そこには、金髪碧眼のアーリア=ゲルマン人こそが、始原の文明を生み出したと説き、その始まりの地がアトランティスだと主張したナチス・ドイツや、同様の主張を日本人とムー大陸について行った大日本帝国の軍高官らも含まれる。アトランティス大陸の所在に限っても、スウェーデン説やアメリカ説、クレタ島説、サントリーニ島説など多種多様な説があり、21世紀に入ってからも新説が生まれ続けている。
日本では戦前にプラトン全集を翻訳し、日本のプラトン受容において重要な役割を果たした木村鷹太郎(1870-1931年)を皮切りに、アトランティス、そしてムー大陸をめぐって、『竹内文書』をはじめとする偽史、さらに皇国史観ともかかわりをもちながら、さまざまな言説が生まれた。その関心は、戦後になってもなお衰えることなく、オカルト・ブームを経て、小松左京『日本沈没』のようなSF小説はもちろん、『ウルトラマン』や『黄金バット』などの特撮物、手塚治虫の『海のトリトン』などのアニメや映画、さらにはゲームの世界にも浸透しながらますます賑やかに盛り上がっていく。
なぜ、人類は、とりわけ日本人は、これほどまでに失われた大陸に惹かれてやまないのか。本書は起点となるプラトンにさかのぼり、迷路のように入り組んだ日本での受容の歴史を丹念に跡づけ、その心性に迫る!

【本書の内容】
はじめに
序 章 「失われた大陸」について問う理由
第 I 章 アトランティスの由来と継承
第 II 章 アトランティスからレムリア、ムー大陸へ
第 III 章 失われた大陸、日本へ――一九三〇年代
第 IV 章 戦時のムー大陸言説――一九四〇年代
第 V 章 戦後の継承――一九五〇―六〇年代
第 VI 章 神話希求と大災害―一九七〇―八〇年代
第 VII 章 浮上し続ける神話――一九九〇年代以降
最終章 なぜ語られ続けるのか

あとがき

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

パトラッシュ

112
中学の頃チャーチワードに接してムー大陸を知り、同時期に『日本沈没』を読んで否応なく二重写しになった。アトランティスやレムリアともどもロマンをかきたてられたが、実在したとは考えていなかった。しかしプラトン以来「失われた大陸」伝説が人類を魅了し続けた歴史は、それ自体がジャンル史を成すほど積み重なっていたのだ。しかも日本では皇国史観に導入されて偽史や右翼の神話となり、戦後は多くの小説や漫画の舞台として日本人に完全に受容されていく。オカルトと結びついてオウム真理教を生んだのも、人が夢を求めずにおられない弱さ故か。2022/11/23

へくとぱすかる

63
オカルトブームの時代には、小・中学生の学習雑誌にも、「失われた大陸」や超能力、UFOの記事が盛んに掲載されている。単行本化された内山安二の作品にも、そういうテーマが複数回ある。サイエンスと並列されていたのは、いつかは科学的に解明されるとの期待感があったのだろう。のちに、と学会やASIOSによって、懐疑的に論じられていく、そんな歴史や風潮の概観を丸ごと見せてくれる本。「ない」とは思っていても、結論がわかっていても、超常現象などは端的におもしろい。ただ、楽しむのなら懐疑的な態度で臨むのが、ちょうどいいと思う。2022/09/28

HANA

61
非常に面白い。アトランティス、ムーといった海中に没した大陸。ロマン溢れるその説を日本が如何に受容していったかが中心に説かれている。まずは失われた大陸がどのように発生していったのかから始まり、説が輸入された明治。偽史と結びついた戦前、そしてサブカルとの関係を深めていった戦後とそれぞれの時代区分に合わせて丁寧に説明されている。読んでいてやはり一番面白いのは戦前の部分かな。ムー大陸を舞台に超国家主義者が舞い踊るのは一読の価値あり。翻って明治は例が少なすぎ、戦後は膨大な数になるため、あっさり目の記述になっている。2025/04/01

更紗蝦

42
アトランティスやムーに関する論説に突っ込みを入れる方向性ではなく、「事実と想像の相互作用」に焦点を当てて「失われた大陸はどのように語られ求められてきたのか」を論じている本です。読んでいて一番興味深かったのは、「失われた大陸ネタ」に政治的イデオロギーを結び付けて偽史が発展する気運が日本とドイツにあり、言説は似ているけれど“発想”に違いがあるという指摘でした。フィクション作品を列挙しているページがマニアックで面白かったので、「失われた大陸ネタ」のフィクション作品のガイドブックを是非とも出版して欲しいです。2023/02/18

kei-zu

26
西洋古代史が専攻の大学教授による「幻の大陸」論。アトランティスは、プラトンの思考実験。ムーは、自称冒険家の与太話。レムリアは、生態系分布を説明するための仮説。なんだけど、人は太古にロマンを見る(時には、自らの民族的優等性にまで牽強付会)。米ソが互いに情報を交換しなかった頃、日本では両国の仮説に触れやすかった。太平洋に面する日本はムーへの親近感が強い。日本産アニメ「ムーの白鯨」は欧州にも影響を与えている。などなど、「へー」が止まらない。2024/05/09

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