内容説明
収録作『手』が映画化。2022年9月16日公開。監督・松居大悟、出演・福永朱梨/金子大地ほか。
『人のセックスを笑うな』『論理と感性は相反しない』など、ビビットな文体とセンスで時代の空気感をすくい取る、山崎ナオコーラの中短編集。
年配の男性の顔や指の写真を集め、ブログに載せることは罪であろうか? おじさんを研究する25歳の女性の視点から、異性を個人ではなく集合体として捉える切なさを描いた「手」。
NHKラジオ文芸館で紹介され異例の話題となった、血のつながらない娘と暮らす44歳のサラリーマンが主人公の、『お父さん大好き』など4作を収録。おじさんたちが可愛く思えてくる、ウィットと切なさに満ちたナオコーラ・ワールドが堪能できます。(※2009年刊の単行本『手』を改題)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
じいじ
97
表題作を含む4編構成。86頁の中編【手】が面白い。75歳のジジイの硬くなった頭では理解しにくい25歳の娘・サワちゃんが主人公の話。天真爛漫で、オジサンの笑顔の写メを収集するオジサン好きで、オジサンの扱いに長けたサワちゃんの日常を、ナオコ―ラさんが愉しく可笑しく読ませてくれます。とかく「ダサい!」「ウザい!」と敬遠されているオジサン族は、「可愛い!」の言葉に素直に悦んでいいものか、ちょっと迷います。2016/10/17
いたろう
62
(再読)表題作他、中短編全4編。この中の芥川賞にノミネートされた「手」が、映画「ちょっと思い出しただけ」がすごく良かった松井大悟監督によって、日活ロマンポルノ50周年記念プロジェクト「ROMAN PORNO NOW」の18禁映画の1作として映画化。その映画を鑑賞し、この小説って官能小説だったっけ?と思って再読をした。確かにセックスの場面はあるが、特に官能小説という訳ではなく、映画のそういうシーンは、ほとんど付け足し。映画は、ポルノでありながら、最後に父娘の感動の物語があったが、それも原作にはない付け足し。2022/09/24
ぶんこ
56
世間の目から見ると、情けないおじさんばかり登場し、女性陣も共感できる人がいなかったにもかかわらず、心が揺さぶられたり、不愉快になることはありませんでした。さすがのナオコーラさんというべきか。「手」のサワちゃんの言動は理解できないけれど、ネットに公開された盗み撮りされたおじさんには同情する。自分の写真を発見した時の驚きを思うと気の毒。ナオコーラさん、醒めてるなぁ。2016/06/19
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55
🌟🌟🌟☆☆。2022年9月に映画化された【手】を含む4篇の短編集。とても読みやすいが面白いか?と問われると微妙。【手】映画もそうだったけど登場人物の誰にも共感は出来ず成り行きをただ読み終えただけってのが、正直な感想。ただ、根底に流れているテーマはフェミニズムなのかな。【笑うお姫さま】やっぱりフェミニズムがテーマなのかな。でも4篇の中では一番面白かった。【わけもなく走りたくなる】二十代前半でこういう気持ちになる事がちょいちょいあった。【お父さん大好き】やはりあまりピンとこない毒にも薬にもならないお話。2023/06/08
チアモン
52
ページ数も少なく短編集のため。サクサク読めた。オジサンの笑顔を写メするのが大好きな20台のサワちゃん。サワちゃんの世界観は良く分からなかったけれど、先を読み進める手がとまらなかった。これからもナオコーラさんの作品を追い続けて行こうと思える作品でした。2019/03/27
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