竹書房怪談文庫<br> 実話奇譚 邪眼

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竹書房怪談文庫
実話奇譚 邪眼

  • 著者名:川奈まり子【著】
  • 価格 ¥748(本体¥680)
  • 竹書房(2022/08発売)
  • 2025→2026年!Kinoppy電子書籍・電子洋書全点ポイント30倍キャンペーン(~1/1)
  • ポイント 180pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784801932371

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内容説明

体験者を徹底取材!
精緻な調査で恐怖の真髄を暴く川奈怪談

「スジの家族しか、無事には暮らせない場所です」
その家には、命をとられる呪いが染みついている… 「クダの匣」より

1000人を超える怪異体験者に取材を敢行、徹底的なリサーチで怪異をリアルに浮き彫りにする川奈怪談、その真骨頂が堪能できる一冊。
・釣りが好きな女性が住んだアパートで起きる奇妙で恐ろしい怪異の連鎖…「鯉」
・とある私鉄の新宿駅の地下に今も出没しているのは…「新宿駅の地下一階」
・女友達からの邪な呪いが送られる…「邪恋」
・父親の家族の壮絶な因縁…「三兄弟」
・地方の格安で買った家の屋根裏から骨が納められた箱が出てきた…古い民間信仰なのか土地の謂れなのか考察する…「クダの匣」
――など22話を収録。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

HANA

64
実話怪談集。どれも著者の特色が良い意味で出ていて読んでいて満足。冒頭の「鯉」からして、何故そうなるのかというわけのわからない得体の知れなさを醸し出しているし。昔話のような因縁譚らしい「クダの匣」もまた一級品ながら、後半の「獅子島異聞集」が特に注目に値するなあ。著者独自の江戸時代の随筆を思わせる文が舞台になる場所の離島という地理的特色も相まって、見事なハーモニーとなっている。こういう民俗学の聞き書きを思わせるの好きだわ。そういう意味で「滝不動の剣」「羽黒山へ」も良し。総じてレベルの高い話ばかりでした。2022/09/08

あたびー

35
先日別の本で知った上山市の滝不動の話がここにも。宿泊したけど知らなかった〜。 その他私がこの歳でトラウマになってしまった悪夢と同じものを覚醒時に見たご夫人がいるのが分かり、凍りついた。 読もうとすると寝てしまう呪いのメール、怖かった😨2022/09/03

miel

28
さほどインパクトのある話がなかったようで、ぼんやりとした印象。ラストの羽黒山の神様のいたずら話は気に入った。天狗ではなく神様のいたずら、と言うのが良い。中盤に出てきたカエルの話は、本編の前置きで注意事項を書いてくれたおかげで読まずに済めてありがたかった。さすが、全方向へ配慮が届くマダム川奈ならでは。生物の中でも昆虫や魚類両生類の扱いは雑で残酷でもOKな感覚、本当に神経疑う。時代が古いとは言え嫌なものは嫌。食べ物を粗末に扱う、平気で残すレベルに生理的嫌悪感、いや殺意湧くかも。2024/08/15

こちょうのユメ

18
全22話からなる本書は、実話ベースの怪談で、不思議で恐ろしい話が集められている。独断で分類すると、正体不明の現象が11話、幽霊の話が7話、呪いや因縁が4話である。多くは原因不明の不可解な体験であり、体験者もなにが起きているかわからないケースが多いようだ。幽霊の目撃も、特別な感受性をもつからこそ可能なのだろう。話の内容は幅ひろく、「クダの匣」のように複数の要素がからむ話や、「サンメ」「獅子島異聞集」のように民俗学的考察をした話もある。参考文献を丹念によみこんでおり、他の怪談作品とはちがう独自の魅力がある。2025/05/01

qoop

9
一編が長めで随所に考証を織り込む、読み応えのある一冊。書き手が考察を加えるタイプの実話怪談は趣味から外れるが、ルポルタージュを旨とする著者の本は例外的に説得力を感じることしばしば。進行中の怪異を聞く〈クダの匣〉などは、考察せざるを得ないだろうし。考証、考察以外にもページ数が長い利点が感じられるのも特徴だろう。それは、ディテールの積み重ねで生まれるリアリティの濃さ。改めて怪談における描写の密度の重要性を意識させられた。2022/09/05

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