内容説明
僕は傷ついている。その傷に、僕自身でさえさわりたくない――許婚者・美也に裏切られ、一夜にして全てを失った東大生・貫一。愛に絶望し、金の悪鬼となった彼のもとへ突然、資産家との結婚を選んだ美也が舞い戻る。虚無を抱えた二人の再会は、悲劇か、喜劇か。尾崎紅葉『金色夜叉』を平成に甦らせた、橋本治最後の長篇小説。〈解説〉橋爪大三郎
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
もりくに
61
「桃尻語枕草子」や「窯変源氏物語」など、お読みの橋本治の良き読者の方々は、間貫一という主人公を目にした時にすぐお分かりでは?ヒロインの鴫沢美也(モデルのMIA)は、漢字に幻惑されて、分かり辛いかも。私は橋本治の良き読者でないので、大分先まで分からなかった。そうです!「貫一」「お宮」の橋本流現代語訳「金色夜叉」。タイトルの「金色」が「黄金」に。「夜叉」と「夜界」の関係は、私には不明。橋本治の本作は残念ながら、「未完」。奇しくも紅葉の「金色夜叉」も「未完」。橋本治が、わざわざ「未完」にしたのではと、邪推。→2026/03/03
優希
48
現代版『金色夜叉』ですね。物語のベクトルがはっきりしているのでサクサク読むことができました。面白かったです。2023/08/09
練りようかん
20
尾崎紅葉『金色夜叉』を下敷きにした長編。親公認の婚約が破談になり、資産家と結婚した美也と住む所を失った貫一。彼の生い立ちから強く伝わる疎外感がこの一件で決定的な亀裂となり、今後形を変えるのか更に根を下ろすのかが気になった。両親の結婚とその死は日本経済を象徴する年とリンクして、飲食業で頭角をあらわし慎重に社会上昇する貫一と、女子大生モデルからセレブモデルにシフトした美也が生きる、平成という舞台装置がとても利いていた。「大人になりたかったの、ごめんね」の威力よ。物語の最後は予感ビンビンで、ずっと面白かった。2026/03/06
go
3
これめっちゃ面白かった。半日で読んでしまった。2024/05/11
yoshi
1
金色夜叉ベースなんですね。うーん、ショック。2024/04/03
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