日本経済新聞出版<br> 中二階の原理 日本を支える社会システム

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日本経済新聞出版
中二階の原理 日本を支える社会システム

  • 著者名:伊丹敬之【著】
  • 価格 ¥1,980(本体¥1,800)
  • 日経BP(2022/08発売)
  • ポイント 18pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784296114955

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内容説明

自由競争、株主主権――。金科玉条のようにされてきた原理が相次いで見直され、困惑することが多い。だが、日本は本来柔軟な構造を持ち、和魂洋才のようにうまく新しい考えを日本の現状に即して導入運営してきたのではないか。そこでキーワードとなるのが中二階だ。
 本書は、「中二階の原理」という発想で日本の経営、経済、さらには日本社会の、過去、現在、そして未来を考えるもの。二階に全体を動かす基本原理があり、一階にその原理のもとで生きている人々が住んでいる現場がある。そして中二階の位置に二階とは別の原理が挿入されていることが多いのが、日本の社会システムであり、企業組織である。そして中二階の原理は、二階の原理を現場(一階)に貫徹しようとすると現場で生まれるねじれ感覚を、中和するために挿入される。
 中二階の原理という視点で日本の現実を見ることが重要なのは、日本企業の一階(現場)の動きが鈍く、しかし二階の経済や経営の原理はアメリカ型の原理に流されて硬直的に見えてしまう時代状況だからである。自信を失った日本、成長しない日本、投資しない日本企業、低下する世界での日本の地位、とマスコミが騒ぐ時代になってしまった。
 中二階からの見方を忘れかけているために、真の現実が見られなくなっている。そのために、霧の中にいるような状況に多くの人がなっていないか。そしてその霧が人々を萎縮させているのではないか。本書は、日本の組織を機能させてきた正しいメカニズムを認識させるための日本論。

目次

序 章 空間を豊かにする中二階

第1章 日本という国の中二階

第2章 革命と変動を受容する社会構造の中二階

第3章 現場の情報と感情へ配慮――経営戦略の中二階

第4章 タテ・ヨコともに距離を短く――組織マネジメントの中二階

第5章 現場のエネルギーを引き出す――企業統治の中二階

第6章 ヒトのネットワークの重視――市場経済システムの中二階

終章 中二階発想のすすめ