内容説明
古の中国で、世界を滅ぼしたいという男の怨念から生まれた「竜舌」。古井戸に宿る奇異な生命体は漢、唐、明……と時代を経ながら歴史のはざまで姿を現しては暗躍し、人知れず不気味な存在へと変貌して行く。そして、時は満ちた――。愛と「禍」を描く、悠久の刻を越えたネオロマンスにして、因果の巡るホラーサスペンス!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
いつでも母さん
188
人類がこの世界に誕生した時から、心には善と悪、正と邪はあったのだろう。二人以上になると貧富とか立場とか権力とか、隔たせる見えない壁が生じてそれは連綿と続いている。善だけでは生きられない。悪だけならなおさらだ。宇佐美さんの新作は時代を駆けるファンタジー大河ドラマだった。くぅ…漢字が覚えられなくて途中までは頁を行きつ戻りつしたが、第4章あたりからグッとペースが上がる。最終章が未知のウイルスとの攻防で一気に現実感。『竜の舌』なんかに世界は負けない!私には今一つの感じがした。2022/10/06
しんたろー
167
宇佐美さんの新作は、中国の大昔から始まって現代の東京へ辿り着く壮大なファンタジー。得意のホラー&サスペンスに加え大河ロマン要素が散りばめられて読書の楽しさを満喫。中国部分での漢字の難解さに苦しめられつつも「こんな読み方もあるんだ!」と勉強にもなった。とは言え「カタカナ表記にしてくれていたら気軽に楽しめるのになぁ」とも思ったが(苦笑)。最終章でそれまでの出来事が繋がり合って解決へ進む展開は巧妙に纏められていて納得度が高かったし、ラブロマンスも加味されエンタメ感満載で楽しかった♬作品毎に新味を出す姿勢に敬服!2022/11/10
ちょろこ
151
数珠つなぎの一冊。竜舌が蠢く中国の大地から始まる壮大な物語。挫折かと思いきや、杞憂に終わった。章を追うごとに深まる世界観、もしかして…の予感が深まるさまは数珠つなぎのように物語を、心を繋ぎラストまで導いて行く。紫禁城の後宮に渦巻く毒を描いた第三章が特に好き。時代を超えても求め合う魂って素敵だな。何事も一つの小さなチカラでは成し得なくとも二つがそれ以上が交われば成し得るはず。今、世界を悩ませている「陰」と重ね合わせ「陽」という希望の光を感じさせられるのも良い。時と大地を駆ける魂の旅物語は浪漫も拡がる読後感。2022/10/10
nobby
151
二千年以上も前に中国を舞台に生まれ彷徨う呪怨の脅威!人としての形骸を捨て様々な獣を介して変容し続けた『ドラゴンズ・タン(竜の舌)』が現代を襲う様相に覚える生々しさ…なるほど!宇佐美さんにかかると、こんな衝撃になるのか!その脅威の一方で繰り広げられるのは永き時代を越え大海を渡った壮大な浪漫劇。巫祝の女と騶の男が輪廻転生を繰り返した末に至った美しき翠の玉石と聖なる剣の邂逅は人類の未来に必然だったのか!?「わたくしはきっとあなたを助けます。決して死なせはしません」情熱あふれた台詞できちんと収束させるのはサスガ♬2022/10/06
モルク
142
古代中国からの男の悪意と怨念が世界を滅ぼすために狐、豺、雷獣など妖気を帯びた獣がその身に宿し次の時代に伝えた壮大なる話。転生を繰り返し現代ではドラゴンズタンというウイルスでバンデミックとなる。最後は説明が多く少しトーンダウン。ホラーというよりファンタジーに近い。苦手意識を持っていなかった中国名。今回ばかりは何度も登場人物欄を見直す。面白かったが、時間もかかり結構苦戦する。2022/12/14
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