美しくないゆえに美しい女たち

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美しくないゆえに美しい女たち

  • 著者名:小谷野敦
  • 価格 ¥1,760(本体¥1,600)
  • 二見書房(2022/09発売)
  • 夏休みの締めくくり!Kinoppy 電子書籍・電子洋書 全点ポイント30倍キャンペーン(~8/24)
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  • ISBN:9784576211572

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内容説明

容貌で人を判断してはいけない、というルッキズム批判というのがあり、そういうことを口にするのをためらう人やたしなめる人がいる。だが、いくら口で言うのをやめても、美貌ゆえに人気があるという現象は止めることができないではないか。それくらいなら、もっと美の範囲を広げるようにすべきではないか、というのが本書の趣旨である。
――「はじめに」より

戦後日本最大の女優、近代日本最高の女性作家、演劇史に残る名場面を演じた女優、国民的漫画家、大人気歌手、記録的長寿番組となった人気ドラマの脚本家、女性版リンドバーグと呼ばれた飛行家…など、著者が気になって仕方がない158人の女性たちの「美」を論じる。

【こんな「美」を紹介しています】
◆ 本当の大人にならなければわからない美しさ
◆ あの谷崎潤一郎が好きだったとくるとオーラが見える
◆ 人柄においてものすごく魅力的な人
◆ ブスだブスだと言われ続けた女優が、死んだあとで見せた美しい姿
◆ 眼鏡やサングラスをかけた姿は美しい
◆ 人柄の魅力が容姿に優る
◆ 薄幸な女を演じると味わいがある
◆ 笑っていたり突っ伏したりするのがかわいい
◆ 顎のしゃくれた顔で、ちゃんと「女」を表現していた女形 
◆ 少年時代に好きだった近所の女の子的なところがある
◆ 美とホラーは紙一重
◆ たとえようもない名著
◆ 若ければいいというものではない
◆ 顔は良くないがそこに味がある
◆ 私は、三谷幸喜には嫉妬している
◆ 二人で英国を旅するという夢のような話が舞いこんだ
◆ 私はつくづくお嬢さんが好きなのである
◆ この女と恋愛をしたらさぞ強烈なものになるだろうと思わせるものがあった
◆ エロティックな雰囲気を作り出す才能
◆ 演劇史に残る名場面
◆ 新聞広告に載った写真があまりに美しいので切り抜いてとっておいた
◆ へちゃな顔だちだったが、そこに愛嬌があって人気があった
◆ 桃色の鋼のような声
◆ かわいい同世代の少女として見ていた気持ちは残っている
◆ 美形ではなかったが笑顔に愛嬌があった
◆ エロティックな表情が実にすばらしかった
◆ 人々はその存在に心揺さぶられ、一挙手一投足が気になる
◆ 美とホラーは紙一重
◆ 清潔感が漂っていて好演ったらなかった
◆ 菩薩顔というか、フェロモンを放つ顔だち
◆ 実際に会うと魅力的な人だったのであろう
◆ 年をとってからも、どこかのお嬢さんとして育ったんじゃないかと思えるほどに気品の漂う人
◆ 何と言われてもすごい小説を書いた円地の勝ちだ
◆ ストーリーに傷のあるところがいい
◆ 「名器」の持ち主だった
◆ 二人の文化勲章受章者と結婚した女
◆ 顔だちはちょっと眼鏡美人
◆ サッパリした気性が好感を抱かせる人
◆ 私はどういうものかヌードになる人というのが好きである
◆ 女性版リンドバーグ
◆ 世界初の女性の航空事故での死亡者となった
◆ こんな美人だったのか、と世間を驚倒させたので、この逆転劇はなかなか気持ちがいい
◆ 思われている以上に面白い女優なのである
◆ 人々はその存在に心揺さぶられ、一挙手一投足が気になる
◆ 一本にのみ主演したあたりに、あたかも役が実在の人物のようなリアリティの源泉がある 
◆ 最初のほうだけでいいから「渡鬼」を観てごらんなさいと言いたくなる

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

kokada_jnet

83
現代実在女性の容貌についての本かと思ったら。アン・シャーリーら「世界名作劇場」の主人公やキャンディ・キャンディが登場。曲亭馬琴の悪妻と孝行な嫁などが登場。トーベ・ヤンソンの次には「ニルスの不思議な旅」の原作者が登場。「蒲団」のヒロインや、島崎藤村の不倫相手の姪もでてくる。エレノア・ルーズベルトが出たと思ったら、英国本格派のジョゼフィン・ティンが登場。結局、猫猫先生の人生で興味を抱いた女性たちについて、プロフィールを紹介し、極私的な感想を加えていくという本なのであった。奇書だが、これはこれで、非常に面白い。2022/01/25

中玉ケビン砂糖

59
そういう線できたか……。常に「綺麗」でも「可愛い」わけでもないが、たまになぜか印象に残る人がいるのはなぜか、どう評すればいいのかという(あくまでも著者曰く)「ブス美論」をめぐる(夕刊フジっぽい)人物コラムの小篇集。ただし「ちょうどいいブス(©山崎ケイ)」ではなく、世間的に見ればみんな(ほとんど)美人。それにしても小谷野敦ってなんでこんなに「エラそう」な文章を毎度毎度書けるのだろうか。いわゆるハスミ的な「エラそう」ではなく、「東大出身で知識人の私が書いた」という絵に描いたように俗~な「エラそう」 2022/01/17

イワハシ

5
博覧強記の著者が気の向くままに綴った気になる女性たちのエッセイ。内容は、あくまで個人の見解。最近こういう投げっぱなしみたいな仕事が多い気がする。2022/04/16

あざすたしあ

2
実在の女性作家から女優、はたまたアニメのヒロインのキャンディキャンディまで、さまざまに「好きだな」とか「気になるな」と著者の心に引っかかる女性を好き勝手に書いたミニコラム。群ようこと小林聡美を好みっていうの、なんとなくわかる気がする。ちんまりした高くない子犬っぽい女性がタイプなんだな。マラソンのQちゃんも誉めてた! 川端の「雪国」や田山花袋の「布団」などのヒロインのモデルにされた女性たちのエピソードとかも面白かった。2022/02/24

1
(202111,770.4)小谷野さんはとても好きである。岸本葉子好きという点は残念だが、今回も、チョイブスをうまく描写し、礼賛しており厭味がなく、取り上げられることは不名誉なことではない。上村松園という歴史上の偉人の逸話を開陳する話法、角田光代に関する小谷野さんの個人的な体験、三浦瑠璃の立ち位置に対する全男性を代弁する評など、照射角度もそれぞれ。容貌・人となり以外にも、トーベヤンソン内でのスナフキン評など、「!」な話も点在。フェミが怒りそうなタイトルだが、小谷野さんの女性への敬愛と知識量の伝わる一冊。2021/12/24

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