内容説明
本書は、クーパー・ヒューイット国立デザイン博物館で開催され11万人を動員した展覧会、《Beautiful Users - designing for people》の全てを収録した書籍です。本展および本書の目的は、「ユーザー(利用者)」を中心にしたアプローチをデザインに取り入れたデザイナーたちが駆使する幅広い手法の数々とその実践を紹介すること。工業デザインの父、ヘンリー・ドレイファスを起点に、ユーザーリサーチ、ハッキング、オープンソースやメイカーカルチャーに至るまで、過去半世紀にわたる「ユーザー中心設計」の進化、発展を物語るデザインプロジェクトを120点近く掲載しています。人と物、ユーザーとデザイナーの新しい関係を探求するなかで、これからのデザインの役割がわかる一冊。
目次
序章 設計(デザイン)の基準としての人体
第1章 万人のためのデザイン
第2章 「規格外」の人々のためのデザイン
第3章 ハンドル―人と製品の接点
第4章 モビリティ―移動のための補助器具
第5章 インターフェイス―人と製品の意思疎通
第6章 ユーザーの逆襲―オープンソースデザインとメイカームーブメント
第7章 ユーザー、デザインを語る。―デザイン用語解説集
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
たまきら
19
「一目でわかる」これ、本当に難しいなあ!研究者の様々な努力、真面目なのに吹き出してしまうほどおかしい「規格外な人たちのためのデザイン」、これは利用してみたい、けれども文化の違いに少々戸惑ってしまうナウンプロジェクト(https://thenounproject.com/)。 日本のデザインの美しさにうなったり、「ユニバーサル」という考えに不安を持ったり。なかなか考えさせられる本です。2018/01/23
izw
12
人間中心設計(HCD)を様々な観点から紹介している。使いやすさを追求したデザイン、それに至る過程も多数紹介されている。初めて見て感心したのが、レバー式フリーダムチェア(LFC)というレバーを両手で動かし車輪を回す車椅子。車輪を手で回すより楽で、未舗装道路や悪路でも使え、スピードも出るらしい。インフラが整備され、電動式が多くなっている日本ではあまり見られないが、世界では2000万人くらいの重要があるという。2015/09/28
きゅー
4
万人のためのデザイン集から始まり、身体障害者等のためのデザイン、移動のための補助器具などが掲載されている。逆三角形のマッチョな男性向けの、上半身の部分のみ横に広がっている扉のデザイン、ランプの中で暮らす魔神のために採光を調節した魔法のランプなど遊び心のあるものも多い。一方で、3Dプリンターで作成した廉価な義手など社会的ニーズが高いものも紹介されている。特に3Dプリンターによる恩恵は大きく、プリンタデータ公開によるソーシャルデザインの普及は今後の重要なテーマになるのだろう。2024/06/17
えーてる
1
真面目な本の体裁をとっているけど、やっている内容がかなりぶっ飛んでいて、「ああこれっておふざけじゃなくてアートなんだろうな」と思うことで納得できた。2015/08/05
すみ坊
0
「ユーザ中心設計」の進化と発展。 細かな用語集付きで入門書的、たくさん付箋貼ってもうた。 当面、手元に置いて置く事が決定的な一冊になった。2015/08/03
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