文豪たちの住宅事情

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文豪たちの住宅事情

  • ISBN:9784305709394

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内容説明

一生借家住まい(夏目漱石)、20坪の庭が全宇宙(正岡子規)、化物屋敷から瀟洒な洋館へ(佐藤春夫)、46か所住んで土蔵の書斎が終の棲家(江戸川乱歩)、「どこに住んでも同じことである」(太宰治)、竹に始まり竹に終わる(水上勉)……。住んだ家、住んだ土地から見えてくる文豪たちの人生と文学。

本書は、夏目漱石から水上勉まで、総勢30名の文豪を取り上げ、なぜ文豪はその「土地」に住んだ(選んだ、引っ越した)のか、またなぜ、その「家」を選んだのかを、人生の流れを通してその「事情」を解説します。
文豪が住んだ土地の当時の状況、住宅の値段や家賃、住宅内外の人間関係やエピソードも、エッセイや小説からの引用でわかりやすく紹介。
深い内容ながらも、親しみやすいデザインとイラストで、文学・文豪好きから、文学散歩のお供にと、幅広い層におすすめできる内容です。

目次

【目 次】
はじめに
目次

夏目漱石の住宅事情/森鴎外の住宅事情/正岡子規の住宅事情/泉鏡花の住宅事情/樋口一葉の住宅事情/与謝野晶子の住宅事情/田山花袋の住宅事情/島崎藤村の住宅事情/島村抱月の住宅事情/佐藤春夫の住宅事情/永井荷風の住宅事情/芥川龍之介の住宅事情/志賀直哉の住宅事情/江戸川乱歩の住宅事情/室生犀星の住宅事情/堀辰雄の住宅事情/萩原朔太郎の住宅事情/小林多喜二の住宅事情/斎藤茂吉の住宅事情/太宰治の住宅事情/石川啄木の住宅事情/谷崎潤一郎の住宅事情/川端康成の住宅事情/中原中也の住宅事情/宮沢賢治の住宅事情/中島敦の住宅事情/林芙美子の住宅事情/松本清張の住宅事情/寺山修司の住宅事情/水上勉の住宅事情

おわりに

column
田端、馬込、阿佐ヶ谷、三鷹…文士村ができた理由
円本ブームにみる家とお金の関係
軽井沢文壇には文豪しかいない?

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

itokake

16
文豪30人のおうち紹介。豪邸からあばら屋まで。家、という1つのキーワードから、文豪たちの人生観が透けて見える。前半、恵まれた実家ばかり登場し、文学は金持ちの道楽かなあと辟易してると、後半、松本清張で空気が引き締まった。成績が良かった清張に進学の説得に来た担任が、ナメクジの這うバラックを見て受験勉強のことは何も言わなくなったという。水上勉は生家の周囲三方をよその竹やぶに囲まれ、陽を遮られた暗い生活。成長し成功した後、自宅には京都から植木屋を呼び竹を30本植えた。トロフィーワイフならぬトロフィーバンブー。2022/02/07

bapaksejahtera

14
文豪というと馴染まない人もいるが、明治以降の有名作家30人と住宅に関する10頁程の記述が連なる。普請道楽で遂に首が回らなくなった谷崎潤一郎から、家族の多い赤貧の生活から晩年に豪邸を建てるに至った清張迄、出自のまちまちな作家を取上げる、多くの作家は貧しい中で借家を転々として過ごし、持ち家暮らしが長い作家は稀だった。本著は、作家と住宅の関わりについて、若い文学研究者が分担して書いているが、必ずしも一定の視点で記述されている訳では無い。それでも忘れがちになった近代作家について興味を呼び起こすに良い読書となった。2024/06/19

ふう

10
具体的な間取りが載っててそれの解説とかかと思いきやちょっと違い、どこに住んできたかという住宅遍歴が主。なぜか本編とは関係のない、宮沢賢治が生徒からアルパカと呼ばれていたっていうのが一番印象的だった(藤井二冠のようだ)。1921年にアルパカと名付ける花巻の生徒たちもすごいし。2021/08/19

kuukazoo

9
住まいという切り口からみる30人の作家の人生。生まれて育ち、やがてそこを出て移り変わる住まいの遍歴。「壊した家を出たくせに今わたしたちは新しい家をつくる」と矢野顕子が歌う通り、それは人生そのもの。家の中では同居する家族との団欒と軋轢があり、書くことは家族を養うため日々の糧を得る手段であった。文豪みんな引っ越しが多く、それだけで波瀾万丈というか、人生は旅だなぁと思う。2021/08/20

relaxopenenjoy

6
鴎外、子規以降の明治や大正の文豪は大体網羅されているか(昭和生まれは寺山修司だけ)。各作家の生涯と、住んだ家の間取りだったり写真だったり。まだまだ未読だった作家についても興味が沸いた。水上勉(人間描写の作家、宇野浩二の弟子とのこと)、読みたい。田山花袋は青空で読みかけの布団読まねば。軽井沢に集まる作家の多いこと!熱海、湯河原もそうだと思っていたがそれ以上か?中原中也と同棲してた女が小林秀雄のもとへ去ったとか強烈。。1〜4部、各部ごと作家の掲載順は、生まれ年順みたい。2021/12/02

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