終わらない週末

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終わらない週末

  • ISBN:9784152101587

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内容説明

NY近郊の別荘を借りて休暇を過ごす4人家族。休みを楽しんでいたのに、別荘の持ち主という夫婦が現れ、中に入れて欲しいと懇願される。やがて起こる奇妙な現象の数々。世界では、何かが起こっている――? 外界と遮断された6人が、生き残るすべを探し始める。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ヘラジカ

54
週末と終末。日本語で書くならば同音異義の言葉だが、この作品ではそれが一体化して、矮小化されたミニチュアのような”世界の終わり”を描き出している。勿論アプローチとしては特に目新しいものではない。物語で焦点が当てられる白人家族は俗っぽいと言えるほど月並みで、筋書きですらもあまりに淡々としている。しかし、だからこそ「今のアメリカ」を描き切った作者の凄まじい筆力が際立つのだ。フレドリック・ブラウンやレイ・ブラッドベリの短篇を思い起こす。寓話感と身が竦むような生々しさが同居する不気味な怪作だった。2022/08/18

路地

42
オバマ元大統領が絶賛との帯をみて興味を惹かれ読んでみる。インターネット、TVの不通、衝撃波を伴う大規模なノイズの発生と、他国との戦争を示唆しつつ原因のはっきりとしない危機のなか、Airbnbで別荘を借りた白人家族と、貸主の黒人夫婦の群像劇。はっきりと表面に出さず葛藤しながらも漏れ出る人種差別的意識と、それに対する経済的優位性や精神性の高さがうかがえる貸主のやり取りが興味深い。最後まで読者に原因を明かすような神の視点が登場しないところがよりリアルに感じられる。2024/11/05

星落秋風五丈原

38
アマンダは出版社の幹部で、クレイは書評家。休暇で別荘暮らしはいいけれど、他人の別荘を借りるというのがひっかかっていた。本当は自前で別荘くらい持ちたいアマンダは今回借りた別荘を「黒人が住んでいるような家ではなかった」と思っていた。ところが黒人夫妻のGHとルースがこの家の所有者であることが判明して複雑な思いに駆られる。ましてや夫の名前がジョージ・ワシントンだというので反応しルース達に見られてしまう。なぜまずいかというとジョージ・ワシントンは奴隷制推進論者だった。アマンダの反応は「何とも皮肉な名前」という意味。2024/01/02

毒兎真暗ミサ【副長】

29
【映画と共に】スリラー系SFだろうか。ホーム・エクスチェンジした夫婦達は名前しか知らない。ロングアイランドのバカンス。浜辺で家族四人。止まらないタンカー。電波は全て遮断。そこに帰ってきた、この家の持ち主。誰も信用できない。庭に現れる夥しい数の動物。落ちてくる旅客機。謎のビラ。不穏が狂気に満ちていく瞬間。ワタシタチハ、オカシクナル……。主演ジュリア・ロバーツ。イーサン・ホーク。これは夫婦とは?家族とは?が問われる衝撃作だ。だけど一つだけ。「人間とは?」とだけは聞かないで。多分、誰にも答えられないから。2024/04/30

キクチカ いいわけなんぞ、ござんせん

21
貸し別荘で過ごす家族の元に、突然その別荘の家主夫婦が現れる。都市部の電気やあらゆるインフラが止まり、やむなくここに戻ってきた、と言う。テレビもネットも繋がらない。不気味なノイズのような爆発音。家主夫婦はもう少し詳しく説明してもいいのではないかと思ったが、何が起こっているかよくわからない人々という設定なら飲み込める。普通、ネットや報道が止まると何が起こっているかわからないものだから。奇妙な動物たちの動きや、微妙な体調の変化や、ガラスに亀裂が入るくらいの不気味なノイズ音で、不安が高まっていく恐怖。2025/04/30

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