自由が上演される

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自由が上演される

  • 著者名:渡辺健一郎【著】
  • 価格 ¥1,353(本体¥1,230)
  • 講談社(2022/08発売)
  • ポイント 12pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784065280454

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内容説明

「自由」は教えられるのか。
参加者の「自主性」と「主体性」を引き出すとされるワークショップ。しかしそこでもある種の「権力」は生じうるのではないか。教師からも環境=アーキテクチャからも強制されない「真の自由」は可能か。プラトン、ランシエール、平田オリザ、國分功一郎、ハイデガー、ジャン=リュック・ナンシー、ラク―=ラバルトらのテクストを援用し、演劇、演劇教育から日常のコミュニケーションまで射程に入れた画期的自由論。
教える―学ぶ関係の非対称性、ケアにおける暴力性、ハラスメント、中動態と政治、声と不和、俳優と観客……さまざなトピックから現代における自由と倫理を問う大型評論。

第65回群像新人評論賞受賞作「演劇教育の時代」を大幅に増補、書籍化。

「芸術について論じることで、見えていなかったものが見える、聞こえていなかったことが聞こえる、理解される。そういう世界への道筋が考えられていたのです。より良き上演があるとすればそれは、上演することが観客の感性の世界に別の意味をもたらすものなのです。」(本書より)

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

buuupuuu

14
ランシエールの「不和」について触れた箇所がある。声が声として聞かれていないことが不和なのだという。合意を目指す話し合いが、互いに声を聞くことから始まるのだとすれば、不和は対立よりも根源的なものだということになる。ただ著者は、聞かれるべき本当の声(あるいは主体、ニーズ)というものが実体化されることについて否定的である。むしろまず不和があって、そこから新しい声への終わりなき探求が始まるのだと言うべきなのかもしれない。2022/10/07

Y.Yokota

7
難しいけど、めちゃめちゃ面白い!本文は150ページほどだけどもぎっしり読み応えある本で、久しぶりにドキドキした。内容を説明できる口を持ってないけど、教育とか「演劇」(日常的な意味も含めて)とか自由とか、自分の考えてた事のふた山ぐらい通り越した先を見せてくれたような感じ。話題をすごく絞っているのに、いろんな自分の経験に著者の話が結びついていく不思議。いや、それこそが哲学の良さなのか。2023/07/02

mstr_kk

5
演劇についての本質的な、本格的な論考で、めちゃくちゃ読みやすくわかりやすい(ラスト数ページを除いては)うえに刺激的です。急所ともいうべき問題にバシバシふれています。問題意識に強く共感します。演劇が抱える根源的なアポリア群を、よくまあここまで手際よく取り出せたものです。随所で取り上げられた問題に対して、それぞれ自分なりに考えていきたいと思います。そう思わせてもらえたことがとてもありがたいです。2022/12/27

msykst

4
面白かった。こういう本、もっと書かれて欲しい。2022/10/22

kentaro mori

3
演劇に関わっていて、稽古の度に役者たちの能力に感嘆し通しだった。本番はその一回性にあるが、稽古は無数の試行錯誤にあり、本番での姿しか知らない観客というのは一体どういう存在なのか、ということもまた。役者は稽古にこそ現れるのだと言えないだろうか。2023/02/28

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