東洋文庫<br> デデ・コルクトの書 - アナトリアの英雄物語集

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東洋文庫
デデ・コルクトの書 - アナトリアの英雄物語集

  • 著者名:菅原睦/太田かおり
  • 価格 ¥4,400(本体¥4,000)
  • 平凡社(2022/07発売)
  • ポイント 40pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784582807202

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内容説明

吟遊詩人デデ・コルクトが狂言回しとなって語られるトルコ系オグズ族の英雄物語集。アナトリア東部(トルコ、イラン、アゼルバイジャンにまたがる地域)の口承伝承が凝縮された稀有の書。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

syaori

32
セルジューク朝などを建てたオグズ族の英雄譚。オザン(吟遊詩人)が語り継いできた英雄物語を元としていて、中央アジアの草原の雰囲気に浸れます。何より虜囚となって16年後に劇的な帰還を果たすベイレキの、捕らわれた息子を奪還するために駆けるカザンと、その夫カザンを追って馬を走らせ夫を励ますボルラ・ハトゥンの、猛り立つ獅子や牡牛、牡駱駝を倒して王女に求婚するカン・トゥラルの、虜囚となった父親のために兵を挙げるイェゲネキの、名誉と血を重んじる高貴で勇壮な生き方に接して、どうして彼らに魅了されずにいられるでしょうか。2017/01/30

きゅー

15
アナトリア東部(トルコ、イラン、アゼルバイジャン)のオグズ族の英雄たちにまつわる物語集。先日読んだカマル・アブドゥッラ『欠落ある写本』は本書の内容を換骨奪胎しており、せっかくなので本書も読んでみた。12篇の物語が収録されているが、内容は幾つかのモチーフが再使用されている。一番多いのは異教徒に父(兄、息子)が捕らえられるのだが、それを父(弟、息子)が助けに行くという物語だろうか。敵に敗けそうになると、彼らはアッラーに祈りを捧げる。すると超人的なパワーが与えられて勝利するという構図は、ある種の様式美だ。2018/02/01

ヴィオラ

10
「欠落ある写本: デデ・コルクトの失われた書」予習のため。こういう機会でもなければ読まなかったかも。こういう出会いは嬉しいものです。中央アジア~トルコに暮らしていたオグズ族の口承伝承をまとめた書。物語の最後にちょこっと出てきて、したり顔のデデ・コルクトに毎回笑うw2017/11/07

Oltmk

1
イスラム化したテュルク系の英雄叙事詩である本作も、テュルクの英雄叙事詩諸作品らしく複数の歴史的事実とイスラム的要素が組み合わさった作品となっており英雄譚らしい怪物退治のお話も一つしかない程の作品となっているが、中世の時代に持っていたテュルク系の価値観に触れる事が出来るため興味を持っている人間には読んでほしい書籍の一つ。 複数のお話がややテンプレート化したお話の一つなのは否定できないが、面白くなくて読みにくいというわけではない。2020/04/26

ての字

1
アナトリアの民話を集積した本。語り継がれたゆえに各話連続してもいるが矛盾した挿話もあり、緻密さを追求するタイプの話ではない(民話ですし)。ディティールより形式美を掴むのが楽しい。語り掛けを想定して読むと随所に目に浮かぶような読みどころがある2010/05/26

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