内容説明
年上の夫の友人を自宅へ招いた日、マドンナ気取りの女・優子が現れた。我が物顔で台所を使い、男たちに甘え、その上夫の前妻の話をし始めて……(「マドンナとガガ」)。女4人でランチ会。同じ大学だった優子の噂や、家庭の経済力、子供自慢と、持てる“球”をラリーする(「アドバンテージ フォー」)。人と比べて嫉妬に悶え、見失う自分の幸せの形。SNSに書けない本音を暴く、痛快な連作短編集。(解説・深爪)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ゆきらぱ
26
友達になっても夫婦になっても相手の言葉をすーっとそのまま心に受け取るのは難しいものだ。人間はなぜか会話する相手の裏を考えてしまう。褒められたとしても本気じゃないくせに、とか大変ねと言われても同情しているフリをしている、とか。Siriと話しているほうがきっと余程楽だと思う。しかしこの摩擦が人間の醍醐味なのかもしれない。2023/04/23
mayu
23
歳をとっても続いていく女達のマウント合戦。大学時代のサークル仲間の面々はもう40代、それぞれに家庭があったり、離婚を経験していたりする。子供がいない家庭、専業主婦、自分と違う環境を否定して自分の方が人生を楽しめていると思いながらも裏では葛藤している姿はとてもリアル。表題作「かけらのかたち」が一番好きだった。皆、表では充実してる姿を見せているけれど色々ある。心がザラザラするけれど、生き方に正解などなくてそれぞれに自分らしくいられたら良いなと思う気持ちが読後に残る。読めて良かった。2022/09/02
あゆみらい
17
初読み作家さん。高学歴な40代の女性の友達付き合い、家庭、SNSがとてもリアルに描かれています。後書きにあるように「これは嫉妬、100%嫉妬!」と認めて生きていこうと思います。そして、下手にSNSは見ないこと。2023/02/24
Mayrin
12
久々にチクチクする話を読んで、面白かったです。紀香が実は感じ悪かったのと、最後の杏奈が清々しかったのが印象的でした。2022/09/13
こばゆみ
11
SNSを通じた、40代の女性たちのマウント合戦を描いた連作短編集。内1編はアンソロジーで既読だった。笑える系じゃなくて完全にドロドロ系なので、妙齢の女性じゃないと面白く感じないかも(^_^;)。男性目線の子育ての話が一番印象に残った。2022/10/05