筑摩選書<br> 鬼滅の社会学 ――家族愛・武士道から〈侠の精神〉の復権まで

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筑摩選書
鬼滅の社会学 ――家族愛・武士道から〈侠の精神〉の復権まで

  • 著者名:井上芳保【著者】
  • 価格 ¥1,815(本体¥1,650)
  • 筑摩書房(2022/08発売)
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  • ISBN:9784480017512

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内容説明

『鬼滅の刃』(吾峠呼世晴)が訴えかける問いを総ざらい。分断が進む現代社会において多くの人の心をつかみ熱くさせた物語は、人間の弱さ、家族の絆、仇討ちの是非、自己犠牲のあり方……生きるうえでぶつかる数々の課題に目を背けることなく正面から向き合い、胸に刺さる言葉で描き出す。古今東西の作品と思想を総動員しながら、本作が包含する現代人が取り戻すべき重要な価値観〈 の精神〉に迫る。

目次

プロローグ 鬼と闘うサムライの物語に心惹かれる──人と人との関係性が弱まっている時代に/第一章 誰もが「鬼滅」を語っている──大ヒットの源泉にあるものへ/1 空前のセールスと興行成績を記録/2 作者および作品の内容/3 評価と批評のいくつか/第二章 あなたは鬼になるか?──弱く、醜悪という反面教師/1 物語は「残酷」から始まる/2 鬼とは何か/3 人間が鬼になるということ/4 『鬼滅の刃』に登場する鬼たちから/第三章 愛と確執の舞台──家族という乱反射/1 偽家族をつくっているのは誰か/2 兄弟姉妹(きょうだい)の愛と確執/3 権威主義家族は長男と次男以下の処遇を変える/4 家族の問題を軽く見過ぎてきたのかもしれない/第四章 仇討ちのどこがわるい──封じられた「民衆の正義感」/1 仇討ちと復讐を我々は心情的に全否定できない/2 制度化した仇討ちとそこから零れ落ちるもの/3 「鬼殺しは異常者の集まり」は近代主義的には正しい/4 義 心の感覚を佐藤忠男『長谷川伸論』に学ぶ/第五章 〈 の精神〉とは何か──自己犠牲という責任の取り方/1 司馬遷『史記』にみる游 論/2 新渡戸稲造『武士道』にみる〈 の精神〉/3 〈 の精神〉は東アジアだけではないし男だけのものでもない/4 自己犠牲の両義性と「滅私奉公」の検討/第六章 平民の武士道──「鬼滅」による「義理人情」の復権/1 「武士たらざるものの武士道」を探る/2 サムライの原型と『八犬伝』による庶民への浸透/3 歪められてきた「任 」のイメージ/4 民衆的正義感の心の故郷の発掘へ/第七章 〈責任〉を取り戻す──ニーチェ的主題を生きる鬼殺隊員たち/1 不条理に耐える高貴な生き方/2 義しい(正しい)ことは一瞬の判断でなされる/3 「自己責任」が強調される新自由主義下の雇用/4 中動態が消え、〈責任〉が見えにくくなっている/5 ニーチェの「運命愛」と山之内靖の「騎士的エートス」の再考へ/エピローグ 〈 の精神〉を生きる医療者たちに学ぶ──ブラック・ジャックと中村哲医師らの実践から/あとがき/主要参考文献一覧

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

榊原 香織

66
マンガもアニメも未見 前半で丁寧に説明がある。登場人物のフルネーム、スゲーとか思いながらザっと理解。 後半は一気に難しくニーチェやウェーバーに話が広がっていく。 マンガ、萩尾望都の影響受けてるんじゃないか、て、そうなんですか?2022/11/27

かさお

25
胸を打つのに理由なんて要らないと思うが、社会現象になった 以上は分析したいのが社会学者の性なのか。自己犠牲、任侠、ルサンチマン、ニーチェ、里見八犬伝、水滸伝、儒教、仏教、様々な角度から分析。私は、こんな風に多くの人が分析している事に興味があり読んでみた。それらしい事が沢山書いてあった。でももし私が作者なら、あれこれ勝手に分析されたくないな。一つこの本で面白かったのは、善逸の考察。本当は逃げ出したいのが人の常、異常なのは炭治郎たちの方だとサラリ言う。いやいやそれを言っちゃおしまいよ。感動の魔法がとけちゃう。2024/10/03

無重力蜜柑

14
『鬼滅の刃』には現代日本が失った大切なものが多く描かれており、大ヒットは日本人がそれを求めている証だ……という雑語り本。文学評論、民俗学、哲学、社会学、政治学まで色々援用するが雑だし、概念装置も前世紀臭が拭えない感じ。それでも興味深い。鬼滅はこのまえ原作を読破したところだが、正直、演出も筋立ても単純で余り面白いとは思えなかった。ただ、これほど古臭い価値観を前面に押し出した作品がヒットするのかという驚きはあった。否、面倒なオタクやインテリがおかしいだけで多くの日本人はこの地平でものを見ているのかも。2022/10/06

ハナさん*

1
2022年8月15日初版第1刷。県図。途中までは、よかったのだ。この手の本にありがちな我田引水、自分の専門の枠組みに作品を当て嵌めることもなく、参考文献を精査しつつ、作品に即した分析がなされていた(門外漢ゆえの浅さや、見当違いがあるにせよ)。だが、最後の方の子宮頸がんワクチン批判等の個人的見解を、本書のテーマである〈俠の精神〉の延長として記されてしまうと、「ナンジャコリャ」である。それでもまぁ、〈俠の精神〉とか長谷川伸とかは、私個人の研究(執筆が中断したままの博士論文)に関連するものなので、参考になった。2024/09/16

jimataro

0
鬼滅は本当に歴史に残る名作だと思う。この社会学者による考察では、特に狭義性に注目。中でも家族やきょうだいに関する意識や立場からくる心の葛藤が面白いと思った。 2022/09/23

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