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内容説明
人間の求める価値は多様であり,相容れることのない複数の価値が並び立つ状況を受け入れるべきである――.二〇世紀の悲劇を経験したバーリンが生涯をかけて擁護しようとした多元主義.マキアヴェッリ,ヴィーコ,モンテスキューを独自に読み直すことによって,その思想的起源をさぐった作品群を編む.円熟期の「理想の追求」も収録.
目次
凡例
マキアヴェッリの独創性(佐々木毅 訳)
自然科学と人文学の分裂佐々木毅 訳)
モンテスキュー(三辺博之 訳)
理想の追求(河合秀和 訳)
解説 多元主義の思想史的起源(川出良枝)
索引
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
nagoyan
13
優。綺羅星のような訳者、解説者。バーリンの小論4編を収める。マキアヴェッリ、ヴォルテールとヴィーゴ、モンテスキューらを語りつつ、近代において優勢な一元主義に対抗する政治的多元主義の流れを説いている。バーリンの問題意識を共有しないまま読み始めると、議論がどこに行きつくのか見通せないことになりそう。実際、何度も「遭難」しかけた。先に解説を読んでおいてから読んだ方がよさそう(ただ、一般論として、そうすると、解説の読み方を後追いするだけにもなりかねないが。)2022/10/08
てれまこし
7
バーリンのNM論の独創性は、政治と(宗教)道徳ではなく、異教とキリスト教という異なる二つの道徳体系の対立を暴き、それが両立しないと見抜いたことに最大の功績を見るところにある。だから英米式実証科学ではなく、なんとヴィーコ、モンテスキュー、ヘルダー、ドイツ歴史学派に連なっていく精神科学の系譜の先頭にNMを置いてる。でも道徳的相対主義の前で踏みとどまり、寛容を説く自由主義の祖にNMを祀り上げちゃう。この読みは彼の多元主義と関係があって、人間には唯一の究極目的があるというプラトン以来の西洋思想の伝統に対する批判。2024/04/09
Z
4
私は読まなくてもよかったか。公準としての政治学(私の造語)で制度設計が如何なる目的でなされるべきかの指針。著者は自由論と多元主義が二本柱の政治学者でこの本は多元主義の考えが伺いしれる文庫。政治が要るのは、人民の様々な矛盾する要求を調停するため。マキャベリは支配的なキリスト教倫理とリアリスティックな政治の領域が調停不可能な対立する領域であると見抜いていた。マキャベリの独創とは、趣味の問題として公私の区別により多元性を守るのではなく、公の領域で如何に多元性を維持しつ全体性を維持するかを考えた点にあ 2022/09/09
超越視界
0
マキァヴェッリほど評価が分かれる人物は中々いないのだが、本書においてバーリンは後世の人々によって都合よく解釈されてきた事自体に着目する。彼によれば古代から近代に至るまでありとあらゆる西洋思想に見受けられる一元論的図式を打ち砕いたのだという。具体的にいうとマキァヴェッリはキリスト教的道徳を否定したのではなく、それとは全く別のローマの異教的な道徳を対立させ、包括的基準を否定したのである。そしてこの恐るべき主張の拒否反応としてマキァヴェッリは様々に解釈されたというのがバーリンの見立てであるが、中々斬新である2025/02/15
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