内容説明
太平の時は常に稀にして戦乱の世は常に多し。――古来より、中国では戦争が絶えなかった。歴代の詩人たちは、あるがままの現実を作品に昇華し、人々の叫び出でたる声として残した。中国古典文学研究の泰斗が、蘇軾・李白・杜甫・文天祥といった、周代から清朝の名詩・四十一首を精選する、味わい深い名著。(まえがき・川合康三/解説・小川環樹)
[本書の内容]
学術文庫版まえがき 川合康三
序
周詩
漢魏晋詩
六朝隋詩
唐詩(上)
唐詩(下)
宋詩
清詩
解説 小川環樹
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
さとうしん
18
時代は『詩経』から日清戦争まで、内容は帝王の詩あり、宰相の詩あり、出征する夫と居残る妻とのやりとりあり、男装して出征する女性兵士の詩あり、はたまた蹂躙される者の悲哀ありと、差し詰め詩で読む戦争の中国史という趣きがある。有名人の詠んだ詩はあるが、杜甫の春望など、誰でも知っているような詩は採られていない。2022/08/14
鴨の入れ首
3
【年間500冊読破】2022年刊。図書館本です。『詩経』から日清戦争(清末)まで、中国史上の戦争詩を集めた漢詩解説書です。それにしても、皇帝や王侯貴族から名もなき戦争未亡人まで、実に多種多様な詩を集めたものだと感嘆しました。チョイスはかなりマニアックで、初読みの詩人が多く、また李白・杜甫のような有名詩人でもマイナーな詩を選んでいました。大変興味深く読みました。2025/01/29
かしこ
2
とても良かった。これは昭和19年に書かれたが、「長安の春」や「華国風味」など戦前に出た中国文学の本は古代の中国が好きで好きでたまらない気持ちが溢れ出た、本当に面白いものが多い。周の時代の詩から清が英国と戦って皇宮の離宮が焼かれた詩まで、年代順に戦乱の詩が並んでいるが、例えばディズニーのムーランのモデルになった木蘭の詩があったり、匈奴にさらわれた女性蔡エン(漢字が出ない)の詩があったり、女性の詩もありバラエティが豊か。李白の西域の塞は春なのに花もないという詩が一番好き。
takao
0
ふむ2025/06/01
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