内容説明
空想が日常の子ども時代、誰もが異世界へと旅する時間を持つ。物語に没頭する喜びは、ずっとあなたを支えてくれる。本を開いて、自分の中の子どもに会いにいこう。『クマのプーさん』から『ゲド戦記』まで――中島京子・初の児童文学エッセイ集。
目次
まえがき
1 プーの森で、ことばと遊ぶ――A・A・ミルン『クマのプーさん』『プー横丁にたった家』
2 銀河ステーションから、めくるめく幻想世界へ――宮沢賢治『銀河鉄道の夜』
3 二人がそれぞれ、親友のためにやったこと――エーリヒ・ケストナー『点子ちゃんとアントン』
4 物語に没頭する、圧倒的な幸福感――ロバート・ルイス・スティーヴンソン『宝島』
5 教訓を見いだそうとする者は追放されるだろう――マーク・トウェイン『ハックルベリ・フィンの冒険』『トム・ソーヤーの冒険』
6 植物とコミュニケートする農系女子――フランシス・ホジソン・バーネット『秘密の花園』
7 ワンダーランドは卒業を許さない――ルイス・キャロル『鏡の国のアリス』
8 「衣装だんす」で、ファンタジーと出会う――C・S・ルイス『ライオンと魔女』
9 コロボックルはわたしたちの先生なのだ――佐藤さとる『だれも知らない小さな国』
10 愛があれば。愛さえあれば。どんなに世界が苛酷でも。――カルロ・コッローディ『ピノッキオの冒険』
11 才能ある女の子の行く末は――ジーン・ウェブスター『あしながおじさん』『続あしながおじさん』
12 ウェンディの哀しみ――J・M・バリー『ピーター・パンとウェンディ』
13 「不要不急」と灰色の男たち――ミヒャエル・エンデ『モモ』
14 人間が想像できることは、必ず人間が実現できる――J・ベルヌ『二年間の休暇』
15 反省、赦し、和解こそが、知恵である――ルーネル・ヨンソン『小さなバイキングビッケ』
16 落語の世界に通じる『ラッグルス家』の物語――イーヴ・ガーネット『ふくろ小路一番地』
17 「時」とはなにか? 時間旅行SFの金字塔――フィリパ・ピアス『トムは真夜中の庭で』
18 二十一世紀の読者のために作り直された、ル= グウィンからの贈り物――アーシュラ・K・ル= グウィン『ゲド戦記』
感想・レビュー
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