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内容説明
「農家」の8割が売上500万円以下という残念な事実/赤字農業をなぜ続けるのか/農地転用という農家の「不都合な真実」/消費者が鮮度の落ちる野菜を食べさせられている理由――第一線の農業者である著者が、農業にまつわる古い「常識」を一刀両断。忖度なしの具体的でロジカルな提言で、読者の認識をアップデートし、農業の本当の知的興奮へといざなう。大淘汰時代の小さくて強い農業とは?
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
saga
60
2015年に『キレイゴトぬきの農業論』を読み、衝撃を受けた。そして2022年に本書に出会い、更なる刺激を受けることに。農家も、農地も減っていいと言う第1章で語られた主張は、非農家から農業に参入した著者ならではの視座に立ったものだ。有機農業を実践する著者だが、慣行農業との違いを、iPhoneかandroidのどちらを好むかに喩え、両者を対立軸に置くことを否定する論旨は明快だ。ただ、ここまで農業を続けてきた著者の、人知れないストレスも相当なものだったのだな~2022/11/30
R
58
タイトルと表紙から、ずいぶん尖った話かなと身構えて読んだら、大変真面目に農業法人について語った本でした。実際に農業を法人として起業した体験をもとにした起業本で、特殊なジャンルだからこその部分と、それ故に嘗めて参入して痛い目を見る人が多いという話しなどが盛りだくさんで、実直に経営を考える必要と、それでもなお難しいという現実が書かれていてとてもよかった。日本の農業という考え方ではあるが、農業とは何か、それを経営に乗せることを真剣に考える意義が語られていて素晴らしい。2024/03/11
さきん
36
需要とか経済的論理で10年スパンで言うならば著者のいう通りだと思う。しかし、スーパーの鮮度落ちた野菜がさらに増え、せっかく開拓した土地が荒れていき、さらに都市圏に人が出ていく。経済的最大値が国民の健康、恒常性の維持に見合うわけがない。 もちろん、そこを守る戦略は国あげて取り組まないといけない。そうしたら、小農でかつ食っていけるスタイルが増える。国が無策でいけば、著者の言う通りになる。2023/01/21
宇宙猫
20
挫折。合理性は大事だけど、儲ける為じゃない農業が邪魔っていうのも極端だな。2023/01/06
roatsu
19
ぎゅっと滋味が詰まった有機野菜のような味わい深い一冊。人口減・需要減に加え、技術や理論の進歩で集約化と淘汰が本格化する転換期(をとっくに迎えていた)農業への経験と実績に裏打ちされた提言。仕事論としてとても意義深く、全編を通じ就農者だけでなく経営者・勤め人を問わない職業人全般に資する知見に満ちていると感じる。第9章なんてほんとその通り。あとは無責任に右往左往する消費者にも自覚を促す内容となっている。序盤における今日に至る日本の農政の失策と迷走への切実な検証と問題提起はそのまま中小企業政策にも当て嵌まる問題点2022/09/12