内容説明
8人1部屋の全寮制。朝6時にラッパで起床。髪型、恋愛、外出の規則。朝から夜までみっちりと詰まった「日課時限」と、陸海空1005時間の実践訓練……。世間一般には、大学といえばモラトリアムともいわれる緩んだ期間だが、国防のために寸暇を惜しんで学び続ける若者たちがいる。厳しい日々にもかかわらず、多くの卒業生は「生まれ変わっても防大に入りたい」と口をそろえる。
他者のために生きるプライドを秘めた人材を育成する学び舎の実像、そのすべてを前防衛大学校長が語りつくした。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
trazom
98
第9代防衛大学校長による防大愛に溢れた一冊。防大の特殊性がよくわかる。大学(文科省からは非認可)であり士官学校。陸・海・空に分かれない統合した教育機関。現役軍人でない民間人の士官学校長。それらは創設に関わった吉田茂首相の強い思いだと言う。「ノブレス・オブリージュ」を唱えた初代校長の槇智雄先生の素晴らしさも知る。文民統制と言うが、防大卒業生の方が、醜いシビリアン(政治家、官僚)よりよほど信用できるかも…。「私の趣味は学生」という愛情に満ちた教育者である著者は「防衛大学校は戦後の叡智の結晶である」と断言する。2022/10/20
yamatoshiuruhashi
51
防衛大学校第9代学校長・國分良成氏による防衛大学校の現状と歴史を冷徹に描き出した本。悪いところは悪い、隠すことなく描かれているから「冷徹に」と書いたが、著者の学生、卒業生を含む「防大」への愛情が滲み出てくる一書である。防大はその創立期に士官学校であることは勿論だが、その校長には軍人ではなく、慶應義塾の小泉信三塾長の推薦により槇学校長を戴き、文武両道を体現に努め、9代目にして再び慶應から國分氏を招いた。槇イズムを継承してきた歴代の学校長の下での不易と適応が現在の信頼される自衛隊を創り上げており、→2022/08/13
ゲオルギオ・ハーン
20
防衛大学校の第9代校長だった著者による防大の紹介をメインとした回顧録的一冊。軍学校的な厳格さや怖さがあったり、校長ともなると威厳があって強面な人という先入観があったがまったくそんなことはないことが分かる(ちなみに著者の顔立ちは優しそうなおじさんである)。学校は外泊許可が必要だったり、軍隊のようなクラス編成(大隊、中隊、小隊)があるが昔ほど先輩たちが厳しく指導することはないし、開校記念祭のテーマが「防大、どうだい」と茶目っ気のあるテーマだったり、校内恋愛もあったりと意外とゆるい面もあることが分かる。2024/12/08
Mc6ρ助
17
著者の國分良成さん(前防衛大学校長)の熱気に当てられてしまう。頭が下がるがでも『「自衛官は・・つねに国民の心を自己の心とし、一身の利害を越えて公につくす・・」・・「われわれは自衛官の本質にかえりみ、政治的活動に関与せず、自衛官としての名誉ある使命に深く思いをいたし・・身をもって職査を完遂する覚悟がなくてはならない」(1961/6/28「自衛官の心がまえ」:p5)』なんて言われるとひねた爺さまは(五ノ井里奈さんのセクハラの話やなんかとともに)またまたB、C級戦犯が量産されてしまうんじゃないかと気が気でない。2023/03/25
いお
12
防衛大学に興味があり手に取った本。求めていた情報以上のものがあり、防衛大学にとても魅力を感じ、今年開校記念祭に行ってみたいと思った。前防衛大学校長の國分さんが書いた本。防大生の日常や教育・訓練内容、三大行事などなど、知らないことばかり。厳しい中でも充実した日々、こんな4年間を耐え抜いている防大生を尊敬。防大の原点や考え方、校長の願いなどとてもおもしろかった。2024/05/26
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