ちくまプリマー新書<br> 難しい本を読むためには

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ちくまプリマー新書
難しい本を読むためには

  • 著者名:山口尚【著者】
  • 価格 ¥935(本体¥850)
  • 筑摩書房(2022/08発売)
  • ポイント 8pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784480684332

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内容説明

やみくもにページをめくっても、理解は深まらないから、まずは正攻法の読み方を身につけよう! キーセンテンスの見つけ方から実践的な読書会まで、 これまでとは違った読書の仕方を教えます。

目次

はじめに/I 原理編/第一章 キーセンテンスを見つける/1 この本で伝えたいこと/2 キーセンテンスで主張をつかむ/3 一文ずつに役割がある/4 哲学者の文章で学ぶ/5 理解は賛成と異なる/6 初見ではピンとこない文章/7 文章の真意を明らかにする/第二章 文章全体の主張を捉える/1 部分と全体を制する/2 読解は全体から部分へ/3 長い文章は分けて読む/4 十全なキーセンテンス/5 「〈私〉の神秘」を読み解こう/第三章 グルグル回りで読み解く/1 読解の矛盾/2 グルグル回りに入り込む──解釈学的循環について/3 整理された条件を読み取る/4 理解を更新しながら読む/5 「前から順番に読む」は落とし穴/6 解釈学は読書以外にも役立つ/コラム 解釈学との出会い/II 方法編/第四章 前提と結論に腑分けする/1 前半のふりかえりと後半に向けて/2 前提と結論を見極める/3 生産的な反論をしよう/4 前提と結論の がり方/5 批判しながら理解する/6 言葉の使い方にも前提がある/第五章 話の流れを押さえる/1 論理的な流れを明らかにする/2 『暇と退屈の倫理学』を読み解く/3 すべてわからなくても大丈夫/4 全体の中でどの段階か意識する/5 必要な箇所だけ理解すればよい/6 対比することで主張は明確になる/第六章 その文章のどこが重要なのか?/1 内容をつかむとはどういうことか/2 〈重要性を指摘する〉ことが重要だ/3 極端な主張する理由を理解する/4 主張を自分事にする/5 「この主張のどこが重要か」を応用する/6 言葉の使われ方を丁寧に読む/7 人生にとってどう重要か考える/第七章 具体例を挙げ、深く理解する/1 本書の重要性について/2 抽象的な主張は具体例で考える/3 本当の理解には具体例が必要/4 「恋する人は屍である」とは?/5 ばっちりな具体例を見つける/6 具体例の良し悪しの基準/コラム 解釈の道具立てを使う/III 実践編/第八章 ほかの人の「読み」を聞く/1 読書会の有用性/2 読書会開催の心構え/3 メンバー集めについて/4 読むなら「古典」がおすすめ/5 読書会参加前の準備/6 「空中戦」にならないために/コラム 古典の重要性にかんする「踏み込んだ」説明/第九章 読書会をやってみよう/1 名著『物と心』を読む/2 とある読書会の架空レポ/3 読書会にはリーダー役が必要/4 とある読書会の架空レポ──つづき/5 読書会に「論破」は不要/おわりに

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ねこ

121
私には3年程前から途中で読むのを中断したデカルトの「方法序説」が有ります。決して厚い本では無く、むしろ薄い本なのですが内容が難解すぎて挫折しました。書店で本書を見た時、これだ!と確信しました。読んでみると、哲学書を幾つか例に出し非常に分かりやすい文章。原理、方法、実践と中高生にも分かるよう親切、さすが新書ありがたい。キーセンテンスを探し、全体と部分をグルグル回り、理屈の筋道を押さえる。そして、議論の要所を吟味し文章の言っていることをより深く理解する。抽象的と感じれば具体例を考え出す。よし待っていろデカルト2022/11/12

ころこ

50
せいぜい高校生までのプリマ―新書にしては難しい主題の本、想定読者は一般人を含めるので、別に読んでも恥ずかしくない。キーワード(部分)と文意(全体)の解釈学的循環をどう調定するか、ということに議論が費やされている。この問題は、キーワード(モノ・エビデンス)と文意(象徴・印象)の弁証法とみれば、昨今の風潮の問題とも通底する。読書人の日々の努力を言語化して「正攻法」が論じられるため、コツや速読術のようなものを期待した読者は落胆する。哲学が例文として用いられている。池田晶子、千葉雅也、永井均、鈴木泉、野矢茂樹、國2023/08/23

三井剛一

23
再読。読解に近道はないが、正攻法はある。「全体」と「部分」を捉えるのを繰り返す。これに尽きる。書き手の主張をクールに掴む。理解する前に、賛成、反対の判断をしない。まずは、キーセンテンスを見つけるところから、はじめよう。読解の方法だけでなく、触れたことのなかった日本の哲学者、それぞれの奥深さにも触れれて、よかった。2024/02/27

すくすく

16
若い人が難解な本を読み始めた時に途中でわからなくなって放り投げてしまうことがよくある。難しい本への向き合い方を哲学の良書、名著と呼ばれる本の引用を豊富に例に挙げ紹介している。でたらめに読破してきたこれまでの自分の本の読み方をかなり論理的に説明された気分。「暇と退屈の倫理学」の引用のところは文句なく面白かったので、やっぱり読もうと思った。読書会も何が楽しいのだろうかと思っていたけど、確かに面白そうだなと思えた。2023/04/06

まゆまゆ

15
あらゆる文章を確実に理解できるようなやり方はない、という事実を踏まえて解釈の正攻法を学ぶための技術を紹介していく内容。全体と部分を同時並行的に読み進めていくことで、グルグルと行ったり来たりすることで読解力がついていく。内容の確認だけでなくどこが重要かを意識して読むこと、ができればなぁ……2022/11/21

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