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内容説明
『善の研究』は西田の最初の著作ながら、晩年に至るまでの思索全体を貫く考え方が示されている主著。その魅力は、西洋の哲学と格闘しながら、その不十分性を乗り越えて物事の真相に迫ろうとする西田の思いがそのまま表現されている点にある。仏教や儒教など、東洋の思想的な伝統も踏まえた広い視野で哲学の世界に新しい眺望を切り開いた本書の面白さや意義を分かりやすく解説。西田の思考を丁寧に読み解き、西田が語ろうとしたことを深く掘り下げる、格好の西田哲学入門。
目次
はじめに/第1章 『善の研究』はどういう書物か/第2章 実在/1 考究の出立点──西田は何をめざしたのか/2 「実在の真景」/3 真実在の形式/4 統一と差別/第3章 善/1 善とは何か/2 善と快楽(幸福)/3 人格の実現/4 西田の倫理観/第4章 宗教/1 西田は宗教をどのように理解していたか/2 神/3 西田とドイツ神秘主義/4 西田哲学と禅/5 西田哲学と他力の信仰/6 愛と悪/第5章 純粋経験/1 純粋経験とは何か/2 純粋経験と言葉の問題/3 純粋経験と思惟/4 純粋経験と意志/5 知的直観/あとがき
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
tamami
50
西田幾多郎の『善の研究』については、同好の会のテキストとして、またいわゆる注釈書を読むと言うような形で、何回か読む機会に恵まれてきたが、通読できたり途中で挫折したりと、お世辞にもしっかり理解できたとは言いがたい書物である。本文を別な言葉で言い換える、というような感想めいたことを文章に仕立てたこともあったが、自分自身の言葉で内容を説明するというような段階には至っていない。本書を読んでの感想も、それから大きく出ることにはならなかったが、『善の研究』及び西田幾多郎に対する自分の評価軸が若干動いたような気がしてい2022/08/29
ジョンノレン
47
「善の研究」本体途中脱落から、ほとぼり冷めたところで解説本を手に取る。主たる内容のみならず背景もわかり易い良書。デカルトはすべてを疑って「われ思う故にわれあり」に行き着いたが、西田は更に純度を高めると共に知だけではなく知情意総力で臨み「純粋経験」に至る。このプロセスにアンリ・ベルグソンの「共感」との符合も。つまり外側から客観的にそれを捉えるのではなく意図する以前に対象と同化してもの自身になって見る。西田が耽読したウィリアム・ジェームスの著作にはモロにpure experienceの文字も。→ 2025/06/23
Asakura Arata
4
言葉の限界ギリギリのところで思考を進めていくのは、とてもスリリングである。限界点なので、いろんな論理的矛盾ができるのは当然だと思う。「善の研究」は4編からなっているが、 2−3−4−1の順に解説されているのは頷ける。4の「宗教」の解説に割かれている量が多いのが特徴的。2023/02/08
うえぽん
3
「善の研究」をいずれ読みたいとの思いから読む。「一なると共に多、多なると共に一」や「実在」とは内包していたものを具体化し自己自身を実現して行く段階と捉えている点に、普段から自分が、身体から組織、制度に至るまで、全体と構成要素との間の不可分性が重要であると考えていること、また、知的直観を重んじる点に、即興・瞬間的反応(カーネマンのシステム1やフロー状態にも関連するか)が人間行動にとってクリティカルだと考えていることに符合し、かなり意外にも、この大変簡潔かつ明快な解説書を手に取った意義を感じ取った。2023/04/20
サカモトマコト(きょろちゃん)
3
日本最初の哲学書とも言われる西田幾多郎の著書『善の研究』の解説書。 難解な本としても有名な『善の研究』ですがこの本では、西田幾多郎の生涯や人となりをたどりながら『善の研究』を解説しており今まで手を出すのをためらってきた『善の研究』を読んでみたくなりました。2023/02/17
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