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内容説明
従軍慰安婦や「徴用工」問題をめぐる歴史認識、経済、教育からコロナ対応まで。日本と韓国の溝がますます深まっている。日本が経済成長を遂げ、アジアを牽引した時代はすでに過去のものとなった。一方、韓国はグローバリゼーションに適応し、飛躍的な変化を見せている。この現実から目を背けず、近くて遠い隣国とどう向き合うべきか。長きにわたり韓国に駐在し現地事情に精通した外交官が、韓国市民の本音や日本観を冷静に分析。中国や世界も視野に、日本の進むべき道を提言する。
目次
はじめに/さま変わりする韓国/日韓の大きなギャップ/日本が進むべき道/第1章 韓国社会の変化/1 一九八〇年代の韓国/一九八〇年代韓国の日本観/一九八〇年代の韓国社会/2 世紀の変わり目──合理的な日本観と金大中大統領/二〇〇〇年前後──建設的・合理的な日本観が浮上/金大中大統領/3 韓国の時代感覚と外国観/若い世代が語る韓国社会/一九九〇年が境という時代感覚/よい関係を築こうという発想が後退/韓国の外国観のあやうさ/4 韓国社会の現在──儒教とグローバル競争の結合/まわりに気をつかう、マネー志向/世界で活躍する人材を──明確な教育指針/向上心が高いのは学生だけではない/儒教とグローバリズムの結合/コンプライアンス社会と同調圧力/変わらないこと──親切、近い距離感、勝ち馬に乗る/5 二冊の本/韓国人の五つの類型/左派のバイブル──「大韓民国は親日の国」/第2章 韓国の日本観──2011~22年/1 ソウル──これは自分の知っている韓国ではない/「日本がなぜ重要か、説明が難しい」/「これは、自分の知っている韓国ではない」/韓中連携で日本に対抗しよう/2 釜山──毎日デモの中、「日韓には何の問題もない」/昔は友好の象徴、今は年に三〇〇日がデモ/令和のはじまりに「反日の道」設置計画/「ハハ、気にしないで」/「国家の時代ではない。日本は古い」/3 歴史の問題/歴史は、民族の記憶に負けるな/韓国の言う「正しい歴史観」とは?/日本糾弾が正義/中国学者「民主国家韓国が、中国のような洗脳教育をする」/「韓国が道徳的に優位」とは/日本は別の国?/4 中国と韓国/中国の意外な面──冷静な論調、エリートの啓蒙/歴史と友好関係/韓国は中国に対して「無力感」、日本には「全能感」/中韓の感情対立/大国に囲まれ、鋭い外交感覚?/最近の変化──反中感情の高まり/5 安保意識の日韓「逆転」と北朝鮮/安保意識の「逆転」/北朝鮮に対する韓国の感覚/南北対話で国内支持率大幅アップ/「安保だよ」/6 ビジネス/日本企業はライバルではない/日本企業は営業が弱く、国際性が弱い/7 若者の日本観と教育/若い人の時代になれば大丈夫/北朝鮮観の変化と反日/8 民主主義と外交/民意と外交/裁判官は「法と民意に従う」/「日本は法を、韓国は正義を重視」?/自国民への説明不足/東アジアが民主化すれば、日本への偏見が改まるか/9 日韓比較あれこれ/韓国=大阪論/ふだん聞かないロジックを受け付けない/在日韓国人の指摘/習いごととスポーツ/コロナポスター「ありがとう、大韓民国」/第3章 日本側が留意すべき点/1 日本から見た韓国──四〇年で三回の「発見」/三回の韓国「発見」/失望──米中関係の変化との類比/「日本たたき」の心理──気にしなさすぎ?/2 日本側が留意すべき八つの点/韓国は今も日本に依存?/違うと言わず、うなずいてしまう/韓国を見くびるな/歴史を知ろう/日本の記者、学者の「作法」/ソフトパワーの強化/交流と外国語の効用は大きい/在外での政府の発信/3 日韓の絡まった構図/日本は韓国の何に気づいたか/「根拠のない楽観論」と「無視論」が支配/日本の理解を超えた韓国/それが韓国。厄介との前提で/最新動向──言葉でなく実体が前に進むか/第4章 日本の前を行く中韓/1 「日中韓協力」で見たもの/グローバル化と中韓躍進/日中韓の乗用車生産は世界の五〇パーセント/中韓の行政は日進月歩、日本の前へ/文化、ビジネスでも中韓が日本の前に/優秀な日本の国際人材、しかし中韓はさらに/2 北京、ソウルでの私の見聞/「日本の子はいいな、僕らの半分しか勉強しない」/日本の学校に通うと勉強が遅れる/韓国の「行政」今昔/中国のWTO加盟、韓国の釜山港──グローバル競争見すえた英断/中東での評──中国企業は日本より仕事熱心/世界での切磋琢磨に日本が入ってこない/文化で国家ブランド向上──昔は悔しい思い/日本がいちばん遅れている──音楽ビジネス/国と企業のソフトパワー拡大/3 新型コロナ対策と行政・世論/日中韓社会の差──既存システムの信頼度/コロナ対策/迅速大量動員の力──政府、軍、企業、医師/感染症対策の行政を強化/世論の向きは日韓で反対/戦力強化した韓国、自然体で臨んだ日本/カギは行政──科学・医療水準よりも/第5章 日本の心理と選択──傲慢と憤懣を超えて/1 「グローバル化に距離を置け」論/「最先端国日本が途上国を圧迫」──傲慢と良心のミックス/グローバル化に日本は適応しすぎた? 遅れた?/「日本は特別」──あくせくした国際競争と別次元?/次世代の幸不幸がかかる──「距離を置け」論の無責任/「町のネズミ」「きょろきょろ」こそ発展の動力/2 行政アップデートへの抵抗感/行政の役割と感染症/行政チェックと危機対策/「世界があって自分がある」意識/既存システム、グローバル化、国家/3 中韓への憤懣、「無視」と日本の得失/憤懣のあまり中韓の実態把握が弱化/相手の欠点だけ見てはゲームを戦えない/中韓へのスタンス──外交安保関連とそれ以外を区分/優等生がつまずいた歴史/4 結び──そして日本の選択は?/発展の中での後退──韓国と日本/アンテナを高く──中韓に、世界に/日本の選択はラクではない──隣国、世界のダイナミズム
感想・レビュー
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