内容説明
応神以前の天皇は実在しない、中世なんて時代区分は不要、十九世紀まで「中国人」はいなかった。この一冊で歴史の見方が変わる!
◎インド文明は「歴史のない文明」だ。
◎「中世」なんて時代は不要。あるのは現代と古代だけ。
◎隋も唐も遊牧民の征服王朝だった。
◎資本主義経済はモンゴル帝国が広めた。
◎フランス語は人工的に創り出された言葉。
◎「古事記」は日本最古の歴史書ではない……。
世界には「歴史のある文明」と「歴史のない文明」がある。日本文明は「反中国」をアイデンティティとして生まれた。世界は一定の方向に発展しているのではない。筋道のない世界に筋道のある物語を与えるのが歴史だ。「国家」「国民」「国語」といった概念は、わずかこの一、二世紀の間に生まれたものにすぎない……などなど、一見突飛なようでいて、実は本質を鋭く突いた歴史の見方・捉え方。目からウロコが落ちるような、雄大かつ刺激的な論考である。
目次
第一部 歴史のある文明、歴史のない文明
歴史の定義/歴史のない文明の例/中国文明とはなにか/地中海文明とはなにか/日本文明の成立事情
第二部 日本史はどう作られたか
神話をどう扱うべきか/「魏志倭人伝」の古代と現代/隣国と歴史を共有するむずかしさ
第三部 現代史のとらえかた
時代区分は二つ/古代史のなかの区切り/国民国家とはなにか
結語 だれが歴史を書くか
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
KAZOO
141
最初に文明とは二通りあり、歴史のあるものとないものがるという命題を説明されています。そこから発展して日本文明あるいは日本史はどのようにつくられてきたのかということを説明されています。最後の現代史の捉え方ということで、歴史論として非常にわかりやすい本でした。E.H.カーの本とはまるっきりわかりやすさが異なります。2016/05/07
えちぜんや よーた
74
現代の中国においてなぜモンゴル・チベット・ウイグルでジェノサイドが起こったり、台湾併合問題でゴタつくのはなぜか簡潔に説明されてて分かりやすかった。この説明でもってすべてを知ったような顔をすることはできないが、これらの問題について今まで全く知らなかった人には問題を探る良いきっかけになるのでは。中国周辺地域で起こっていることは、日本にとって全くもって対岸の火事ではないので、日本の選挙権を持つ人であれば読んでおいて損はない。読むのにそんな時間かからんしね。2022/07/06
Book & Travel
36
そもそも歴史とは何かということから、歴史書は真実でなく目的があって作られている、マルクス主義でいう歴史に一定の方向があるというのは間違いである、民族や国家という概念は現代以前には無かった、などと展開されていく筆者の主張は、説得力があるように感じられ、新鮮で興味深かった。また輪廻転生の思想から歴史の概念がなかったインド、過去に興味がない米国など国ごとの歴史感の違いも面白い。途中、話の展開が強引に感じられたり、気になる部分もあるが、歴史に対して真摯な姿勢を感じる筆者の主張には胸を打たれるものがあった。2016/06/25
金吾
34
○攻撃的な部分もあり予想以上に良かったです。古事記、中国、韓国の部分は面白かったです。歴史の解釈に道徳的判断や功利的判断を排除するという考えは納得できました。他の著作も読んでみようと思います。2024/03/25
さきん
32
歴史とは何か、様々な事例を上げて読み解く。モンゴル史専門の著者なので、世界史のはじまりはモンゴルと少しモンゴルびいきがあるが、日本とモンゴルの騎馬民族説や義経伝説ははっきり空想と否定している。日本の天皇制は天武天皇から実際に始まったとし、古事記や日本書紀は、中国の歴史書にならったものとしている。見方がユニークだが、説得力があり、放出予定だが、こういう見方もあるということで、残すことにした。2017/02/07
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