内容説明
1989年9月に筑摩書房より刊行され、92年10月に同社より文庫化された同名作品の新装版。
本著は金沢の「北國新聞」に1988年1月から12月までの一年間、毎日曜に計51回連載されたものがベースとなっている。
壮大な中国の歴史の中で、日本人に一番なじみの深い「三国志」に登場する絢爛豪華な英雄武将たちの生の軌跡を、
西晋の陳寿の正史「三国志」をもとに明の羅貫中の小説「三国演義」を織り交ぜながら描き出されたのが本書。
乱世をたくましく生き、戦い抜いた漢(おとこ)たちの波瀾万丈、痛快無比な生き様を、歯切れのよい名調子で語り尽くす!!!
『キーワードで読む「三国志」』『水滸縦横談』『史記・三国志英雄列伝』に続く、当社刊行の“井波中国古典文学シリーズ”の第4弾!
本文内容にあわせて図版を新たに加え、全話に掲載! ビジュアル的にもより深く広く「三国志」の世界を堪能できること必至!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
スプリント
11
久しぶりに三国志を最初から最後までストーリーを追えた。 劉備、孫権は晩年が残念だった。2022/11/06
f_potato_yg2
1
三国志に興味を持っていたが、これほど読みやすく、スッと歴史が頭に入ったのは、快感を覚えた。 歴史をただ綴るだけでなく、人物の性格、思い立った背景、その後の影響などを、簡潔明瞭に、瑞々しく書いている。 各話ごとに、列伝を設けているのも良い。俯瞰した、全体としての勢力図と、個々人へのスポットライトを当てる両面が際立つ、傑作でございました。 この本に出会えて、本当に良かった。2023/06/03
akiko aikawa
1
吉川英治の『三国志』は、フィクションの「三国演義」が元なんですね。この本は、正史「三国志」の方を元に書かれている。登場人物になじみがあり、しかも新しい発見があるので、とても面白く読めた。地味な印象のあった呉だが、江東の小覇王孫策が超魅力的です。そして何といっても井波律子さんの文章が、爽快、カッチョイーです。(『罪と罰』の後だから、よけいかもしれません。)「…父のツケがまわってきた娘はあわれだ。乱世の倫理は残酷である。」と、…シビレます。2023/04/29