内容説明
大正十四年、銀座。とあるカフェーで女給の千歳は窃盗事件に巻き込まれる。そこに現れたのは、事件解決のために呼ばれた探偵である兎田谷朔という男。彼の華麗な推理で、事態は収束。大団円かと思いきや――「解決さえすりゃ真実なんかいらないのさ」なんとその推理内容は、兎田谷自身が組み立てたでっち上げの真実だった! 口八丁でどんな事件も丸く収める、異色の探偵兼小説家が『嘘』を武器に不可思議な依頼に挑む。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
真理そら
57
文豪?・兎田谷、押しかけ書生・烏丸、カフェの女給・国木田千歳が主な登場人物。大震災の後の、まだ復興が十分でない銀座にあるカラタチの生け垣に囲まれた幽霊屋敷。武家屋敷をそのまま使っている華族邸の古い蔵に女の子が閉じ込められていたような記憶を解明したい令嬢。というような道具立てが楽しい事件簿。もう少し大正ロマンの香りがあるともっと嬉しかったかも。2022/07/18
うまる
41
アルファポリスのホラー・ミステリー小説大賞。表の大団円解決と裏の真相の絡みがどれも面白かったです。裏はアレかなと予想した事より一歩先があり、程よく騙されて楽しめました。わざとインチキ推理をしていながら、依頼自体は達成しているという流れにも感心します。いい加減なようで、裏で暗躍している探偵も、コワモテ書生もいいキャラです。全体的に嫌な人が出てこないのも良い所だと思います。これは続編を期待したいです。2022/08/19
かもめ通信
10
書評サイト本が好き!を通じてのいただきもの。関東大震災から1年半、帝都の中心地である銀座には、まだまだ被災の爪痕が残っているが、繁華街の賑わいは少しずつ戻りつつある。物語の舞台はそんな銀座界隈で、主人公の看板を背負うのは、この地で生まれ育ったという小説家兼探偵の兎田谷朔(うさいだやはじめ)という男。「小説家が架空をでっちあげてなにが悪い!?地獄の沙汰も口八丁。解決さえすりゃ。真実なんかいらないのさ」とうそぶく“文豪探偵”の事件簿。もっとも探偵がでっちあげるのは「犯人」ではなかった!?2025/08/20
toshi
8
3章にプロローグとエピローグという構成になっているけれど、実質的には各章毎に依頼人である主人公が変わる連作短編集。プロローグとそれに続く第一章と、それ以降は作者が変わったのかと思うくらい作風が違う。第一章はおっちょこちょいの主人公の行動や、ギャグ満載のテンポの良い会話などドタバタ感が強いのに、何故か第二章以降はすっかり雰囲気が変わる。キャラ設定が秀逸。特に第一章の千歳のキャラが好きだったからもっと登場させてほしかった。続編にも期待。謎が解けて事件が解決した後に「第○章・裏」にて本当の謎解きが有るのは斬新。2025/07/28
杏
4
続きが気になって久々の一気読み!読んでいくうちに自分の推理がことごとく外れて確かに先生に裏切られた。2022/07/25
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