内容説明
会社を辞めた季実は、本郷で下宿を営む祖母の家に転がり込んだ。無気力状態の季実に、「出張料理」の手伝いを頼んできたのは、同居人の桃子さん。鶏肉の旨味を吸い込んだ馬鈴薯のスープ、口の中でほろっと崩れる鮭と大葉のおむすび、甘い空豆のフリット。依頼人達の疲れた心とお腹を満たすうち季実にも変化が訪れて... ...。人情溢れる料理小説。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
machi☺︎︎゛
107
会社を辞めて無気力になっている季実に出張料理の手伝いを頼んだ桃子。初めはただただ言われる事だけやっていた季実だけど段々と料理の楽しさに気づく。そして周りの人達の優しさにも触れ、新しい事にも挑戦したいという気持ちも芽生える。如月、弥生、卯月、皐月の4章から成っていて最後の章は桃子の辛い過去が語られる。お義母さんの気持ちに涙が溢れ桃子と季実の新しいスタートにエールを送りたくなった。2022/10/30
真理そら
68
会社を辞めた季実は無気力な生活を送っていたが、東京・本郷で下宿屋を営んでいた祖母の家で住むことになった。祖母と孫娘の交流ものかと思ったら、とてもクールなお祖母ちゃんで…。たった一人の下宿人出張料理屋「みなづき」の桃子さんの手伝いをするうちに気力が回復していく。一方バツイチ桃子さんは元旦那に優しく付きまとわれたり元姑を母として慕っていたりで、なかなか複雑な生い立ちを持つ。主人公が季実なのか桃子なのか混乱の内に読了。大量の材料をいかに消費するかを悩む身には参考になるおいしい物語。2023/12/22
よっち
39
会社を辞めて本郷で下宿を営む祖母の家に転がり込んだ季実。無気力状態の彼女に同居人の桃子が「出張料理」の手伝いを頼むお料理小説。実家の両親と上手くいかないキャリアウーマン、大好きだったはずの料理が作れなくなってしまった専業主婦、入院した妻の代わりに夫に仕込むお弁当の作り方、そして桃子に多大な影響を与えた元旦那の義母との最後の食卓。料理を通じて強張った心に向き合って、根気強く解きほぐしてゆくような切なさも入り交じる優しい展開にはぐっと来るものがありました。腐れ縁の元旦那さんはいい人なんですけどね…もどかしい。2022/09/04
たんぽぽ
22
いろいろな事情で、人生からドロップアウトしてしまったように感じる時、行き場のない思いを持て余してしまったとき、進退窮まった!と途方にくれるとき…どんなときでも食べなきゃね。生命を維持するための栄養も大切だけど、食べる人を思って丁寧に作られたお料理は気持ちをほぐす。 美味しいもの食べて全て解決なんて、甘いことはいわないけど、大切な人と美味しいものをを食べる、誰かのために料理しよう!という暮らしは大切だなと思った。 ※半額のおべんと買うより、自分でご飯たいたほうが節約なんて、安易に言わないようにしよう。2022/10/14
だのん
21
美味しそうな料理の描写で心が温まります。食べる人の気持ちに寄り添って調理する桃子さん。美味しいだけでなく、心と身体を回復させてくれる食事が大事なのですね。一生続く食事、楽しく自由に無理をせず、と思ったら気が楽になりました。2022/12/09
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