内容説明
椅子作りの才能があるのに、地元で修理屋をしている徳井。椅子への情熱を持て余し、都会の大手工房を飛び出した魚住。タイプの違うふたりが、学生時代の約束のもと、小さな工房を始める。不器用な彼らは、友情でも恋でも仕事でもギクシャク......。海沿いの町の小さな椅子工房で夢の続きを見ることにした〝こじらせ男子〟の、胸アツ青春物語。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
やすらぎ
195
木肌に触れているだけで安らぐ。心を込めた一脚に腰を下ろすと包み込まれる。角のない緩やかで優美な曲線に指を這わせて職人の優しさを受け取る。大切にしたい椅子。互いが互いを認め、補い支え合う気持ちが込められている。ついぽろっと出た言葉。考えすぎて押さえきれなくなった本音。生きていくために必要なものは数多あるけれど、やりたいと思えることがあるのならやってみたらいい。決して一人では作れない美しさを知り得るから。誰かのためだけでなく自分のために。ひとしきり雨が降った後に見上げた冬空にはきっと、友情の虹がかかっている。2023/06/14
真理そら
65
魚住と徳井はともに椅子つくりが楽しいが、デザインと制作それぞれ得意分野が違う。徳井の故郷の海辺の町で椅子工房を立ち上げる。魚住を追いかけてきたぬいぐるみ作家の胡桃が居ついたり、高名な建築家の工房からの誘いがあったりしながらも工房への注文は少しずつ増えていく。大学時代の夢に向かって着実にスタートした二人と胡桃、徳井の幼馴染で食堂の菜摘、徳井の祖父の今後を知りたい気分で読了。ぜひぜひ続編を!倉敷の下津井あたりをイメージして読んだ。2024/06/14
涼
65
http://naym1.cocolog-nifty.com/tetsuya/2023/07/post-eccae8.html こんな椅子に座ってみたいものです。2023/07/06
えりこんぐ
53
正反対だけど不思議とウマが合う人がいる。田舎で椅子工房を始めるようとする魚住と、巻き込まれた徳井。食堂の菜摘とぬいぐるみ作家の胡桃と含めて、4人のこの先がもっと読みたいと思った。何よりおじいちゃんが好き(´∀`) 【積読80】2023/10/27
たるき( ´ ▽ ` )ノ
51
オーダーメイドの椅子・・・そんな物が存在するなんて、意識したことなかったかも。長く座っても疲れないのかな。虹に座るような気分になれるのなら、一度座ってみたいな♪2023/05/11