内容説明
天才女子高生(ミミズ人間)が謎を解き明かす!
著者史上最強!
衝撃のスラッシャー小説×本格ミステリ!!
「読まないと損するレベルで優れている」
乾くるみ(小説家)絶賛!!!
こんな小説、はじめて!?
特殊設定×多重解決ミステリ
自殺した妹・リチウム(ミミズ人間)の仇を討つために、
刑事になったヒコボシ。事件を追いながら、
リチウムを自殺に追い込んだ連中の尻尾を掴み、
破滅させてやろうとたくらむ。
事件の謎を解くのは、
天才的な推理力を持つ女子高生探偵・マホマホ。
しかし、彼女はヒコボシに監禁されていて……。
文庫化に際し大幅改稿、著者渾身の本格ミステリ大作!
解説/乾くるみ
カバーイラスト/ふみふみこ
目次
ミミズ人間はタンクで共食い
アブラ人間は樹海で生け捕り
トカゲ人間は旅館で首無し
水腫れの猿は皆殺し
後始末
解説 乾くるみ
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
森オサム
33
著者初読み。酷い話で楽しめはしなかった。エログロ、バイオレンスの繰り返しで、ミステリーと言うより私にはホラーだった。多重解決、安楽椅子探偵ものだと思って読んでいたので、三章後半からの展開には驚いた。四章、エピローグまで来て、真の主人公に気付いた感じがした。特殊設定下のみで成立するロジックは見事では有ったが、余りにも倫理観、道徳観が無さ過ぎて、面白いと言う感覚は持てない。と言う訳で、昨年、本年と超高評価の「名探偵のいけにえ」、「エレファントヘッド」が文庫になるまで、しばらく著者とは距離を置くとします。2023/12/31
おうつき
23
著者の作風はよく分かっていてそれでもなおキツかった笑。エログロで下品な設定の数々に加え、差別や性暴力まで絡んでくるので不快感が半端じゃない。それなのに何故かページを捲る手が止まらない。気持ちの悪い設定を綺麗なロジックに昇華してくれるこの感覚は、やはり白井作品でないと味わえない。個々の短編としても素晴らしく完成度が高いし、一つの長編としても鮮やかな終結を迎える。尻子玉のトリックとかどんな頭をしていたら思いつけるのか。2023/01/31
hnzwd
23
グロさと解決のロジックに定評のある作者。今作もミミズ人間にトカゲ人間。グロさと悪趣味全開です。超常的な設定の上で解決のロジック自体はしっかりしてた所はそのまま。また凄い設定と驚愕の多重解決を作り込んだなあと。。表紙と乾くるみの帯で買うのはオススメできませんが。2022/12/07
Junichi Yamaguchi
22
『ミミズ』… いやいやいやいや、参ってしまいました。 グログロのキモキモ。 しかしながら、先が気になる展開に中毒性のようなものを感じた。。2022/11/16
しずかな午後
18
皮膚に縞があるミミズ人間、性器から油を出すアブラ人間、脱皮をするトカゲ人間、そんな異形の人々がいる世界での連作ミステリ。主人公は、自殺に追い込まれた妹の仇うちを目指しているのだが、そんな大義名分の一方、自分は平気で他人を死に追いやる。この主人公の性格が設定以上に気分を悪くする。そんな悪趣味な要素だらけの本作だが、フェアな伏線とロジック、そして独特なユーモアでやっぱり面白い。それにしても、白井智之作品の世界には絶対に行きたくない。衛生観念やばそうだし。2023/07/18