中公文庫BIBLIO<br> 中国の神話

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中公文庫BIBLIO
中国の神話

  • 著者名:白川静【著】
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  • 中央公論新社(2022/08発売)
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  • ISBN:9784122041592

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内容説明

無体系のまま放置されていた中国の神話を、豊富な史料から発掘し、その成立・消失過程を体系的に論ずる。これらの神話はアジアから、遠くギリシャ・ローマとモチーフを共有する。日本神話理解のためにも必読、碩学による傑出した神話論である。  353ページ

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

たみ

21
100%理解できんかったのでメモがわりに。中国民族の文化は(日本と同様に)多元的で複合的だけど神話は(日本と違って)そうじゃないヨ、なぜなら神話ができる時期は限られていてその限られた時期(殷王朝の時代)に民族的・文化的統一がなかったからダヨ。日本の神話は時間的な縦のつながり、ギリシアとかケルトとかの神話は空間的な横のつながり、中国の神話はどっちにも属していない。うぉ~わからん!でも脇に目がついた神様おもしろい、なんで脇に目がついとんの前が見えにくい![山海経]気になる~。2015/11/30

マウリツィウス

18
【中国神話創世論】ボルヘスの探求した無限の領域とはオリエンタリズム終焉を飾っただけではなく中国神話臨在性を自己吸収することで成立する。メディア存在登場を予兆させた《神話》とは従来大衆装置=つまり二次派生作品性質を多分に孕んでいる点も評価可能だ。そして数ある叙事詩を封印させた古代語神話の《東洋》定義は仮前提に過ぎず交差領域に分岐する点で定義化は不可能、ホルヘ・ルイス・ボルヘスの暗号命名は手法においてはアジア諸国言語がベースと判断出来る。カバラとの類似項目性を共振させることで創世神話多様性をむしろ再提唱した。2013/07/03

roughfractus02

7
文化の統一後に体系化される神話は時間的な組織関係を語る(天皇の系譜としての日本神話)。文化の統一過程の中で体系化されると神話は同時的な組織関係を語る(様々な神話を取り込み変わる欧州の神話)。が、両者に属さない、体系化されない散在した神話があり、それが中国の神話であるという。時間的な神話形成には国家間の争いがほぼなく、同時的な神話形成には国家間の争いの中にも相互の交通はあるが、非体系的な神話形成には滅亡する国の文化も途絶させるゆえに散在する、と本書は捉える。著者は、散在する神話を寓話や思想の中から抽出する。2020/12/15

マッピー

4
中国の神話って確かに聞いた覚えがない。中国って大昔からいろいろな民族が土地を奪ったり奪われたりしながら国を作ってきたわけで、いくつもの系統の国や地域が複雑に絡み合っているのである。負けた部族〈氏族、姓〉が信じる神は、悪神に変えられたり、存在を抹消される。しかし勝った方も次はわからない。そうやって神々は変貌を遂げていく。物語としての神話は枯れている。そして神は何も語らない。神様は生まれついての神様で、修業をした人間がなるのが仙人だと思うんだけど、どうも中国は神様と仙人の境があいまいなのではないかと思うのだ。2017/03/02

in medio tutissimus ibis.

2
中国の神話には「何かあら筋は知ってるけど・・・」感が付きまとっていたのだけれど、登場人物の会話がないという指摘でハタと膝を打つ。どういう事があったかだけ残っていても面白さにはつながらない。それが伝失する前にと書き記した人にももう詳細はわからなかっただろうと思えば、残念さも一入。神話の担い手は別にそんな面白おかしく消費して欲しいとは全然思っていなかっただろうけれど。2018/10/21

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