内容説明
真言宗のなかで秘伝にされてきた理趣経――セックスの本質は生命力を積極的に生かし、人類に奉仕する立場にふり向けること。無我の境地に立つとき、欲望は浄化され清浄となる、と説き、現代を生きる我々に、何を目指して生きるべきかを明快に示す密教入門の書。 295ページ
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
荒野の狼
4
理趣経の漢文を書き下し文を交えながら、その全17段を段ごとに解説する本で、理趣経のみならず、密教、金剛経などの入門書として有用で、仏像の写真などが多数掲載されているのも楽しい。この本は、著者自身の文化講座の講義からテープをおこし、原稿にしたもので、文章は口語でラジオ講座を聞いているような気持ちになれる読みやすい文体。大日如来とは何か、密教の意味、密教とインドの宗教との関連など基礎的な知識が書かれてある優れた入門書。2011/10/02
Kuliyama
3
なかなか読み切れなかったですが、密教の入り口の考え方が少し分かった気がします。密教にご興味のある方にお薦め致します。2016/04/26
滋比古
3
(メモ)6世紀終わりまでが初期の密教で仏教の中に、宗教的儀礼、呪法がとりこまれて密教が出来ていく過程。7世紀の初めになって、「大日経」と「金剛頂経」ができあがるこれらが中期密教の経典となる。日本の密教に影響を与えたのはこの中期密教まで。好機密教になると「金剛頂経」が主体となりヒンドゥー教的な色彩が濃くなったもの、チベットにはこれが伝わった。金剛頂経というのは18のそれぞれ違った場所で書かれた膨大な量の経典の集まりのことであり、18のグループに分かれる。そのうち第1番めのグループのものを「真実摂経」という。2012/06/08
コショ
2
本当の怒りとは何か、汚れた世の中に自分が生きていくことはどういうことか、世の中のリーダー(三界の主)になるにはどうしたらよいか、世の中の本当の働き・活動というのは本来どういうものなのか。理趣経第6段抜粋。まず生きているということが前提にあって生きているものがどうするべきかを説くのが理趣経である。理趣経に書かれている問題は非常に身近なもので今もっとも大切な道標があるように感じる。2021/03/02