日本経済新聞出版<br> 強権的指導者の時代 民主主義を脅かす世界の新潮流

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日本経済新聞出版
強権的指導者の時代 民主主義を脅かす世界の新潮流

  • ISBN:9784296114276

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内容説明

冷戦後世界秩序は、ポピュリストと独裁者が破壊する
* * *
いま冷戦後世界秩序が揺らいでいる。その元凶は、プーチン、習近平、エルドアンといった強権的なリーダーである。一方でリベラルな政治・経済思想はこの10年ほど弱まり続け、世界の「自由度」は15年連続で低下している。なぜ欧米のオピニオン・リーダーたちはこの事実を直視せず、リベラルな政治・経済思想が世界を席巻するのだといまだに信じているのか?
 プーチンが政権を掌握してから1世代が経ち、プーチン的手法のフォロワーが世界に増えていることを認識すべきときがやってきた。中国、インド、トルコ、ブラジル、サウジアラビアといった21世紀の強国が、個人崇拝を奨励し、国民監視に21世紀のツールを活用する強権的指導者によって牛耳られている。
 世界を揺るがす「強権的指導者」はなぜ誕生し、なぜ世界の潮流となったのか。なぜリベラリズムは衰退し、民主主義国家の数は伸び悩んでいるのか。1930年代の独裁者の手法と、現代の強権的指導者の手法はどこが違うのか。21世紀における権威主義の流れは、弱められるのか。
 FTのチーフ・フォーリン・アフェアーズ・コメンテーターであるギデオン・ラックマンが執筆した話題作。
* * *
 プーチンは最初の強権的指導者であり、その原型である。
だから、ウクライナ戦争にかかっている利害は、まさにグローバルなものである。
ロシアの侵攻が成功すれば、他の強権的指導者も戦争に走るかもしれない。
アメリカが支援したにもかかわらずウクライナが敗れることになれば、
中国による台湾攻撃の舞台を整えてしまう可能性さえある。
――本書より

目次

はじめに
第1章 プーチン――強権的指導者の原型(2000年)
第2章 エルドアン――リベラルな改革者から権威主義的な強権的指導者へ(2003年)
第3章 習近平――個人崇拝の復活(2012年)
第4章 モディ――世界最大の民主主義国家における強権政治(2014年)
第5章 オルバン、カチンスキ――非リベラルな欧州の台頭(2015年)
第6章 ジョンソン――ブレグジット後のイギリス(2016年)
第7章 トランプ――アメリカの強権的指導者(2016年)
第8章 ドゥテルテ――東南アジアの民主主義の侵食(2016年)
第9章 ムハンマド皇太子の台頭とネタニヤフ現象(2017年)
第10章 ボルソナロ、ロペスオブラドール――中南米におけるカウディーリョの復活(2018年)
第11章 アビー・アハメド――アフリカの民主主義への幻滅(2019年)
第12章 メルケル、マクロン――欧州における強権的指導者との戦い(2020年)
第13章 ソロスとバノン――思想的な戦い
エピローグ 強権的指導者とバイデン
日本語版へのあとがき
謝辞
原註

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

よっち

30
世界を揺るがす強権的指導者はなぜ誕生し、なぜ世界の潮流となったのか。なぜリベラリズムは衰退し、民主主義国家の数は伸び悩んでいるのかを考察した一冊。プーチンが政権を掌握してから1世代が経ち、世界に増えているその手法のフォロワー。個人崇拝を奨励し、国民監視に21世紀のツールを活用する強権的指導者によって牛耳られている中国、インド、トルコ、ブラジル、サウジアラビアといった国々。その背景を踏まえつつの考察はなかなか興味深かったですが、できればではどうすべきなのかという部分もあるともっと良かったかなとは感じました。2022/09/28

Isamash

24
ファイナンシャル・タイムズ紙コメンテーターのギデオン・ラックマン2022発行書籍訳本。プーチン以来、多くの国で登場した強権的指導者を紹介。エルドアン、習近平、インドのモディ、ハンガリーのオルバン、ポーランドのカチンスキー、ジョンソン、トランプ、フィリピンのドウテルテ、ムハンマド皇太子、イスラエルのネタニヤフ、ブラジルのボルソナロ、メキシコのロペスオブラドール等。彼らはリベラル的メディアの弾圧、ナショナリズムの利用、ライバルの投獄/暗殺、エリートの糾弾、長期政権のために法律改悪、非学歴者の洗脳、等が共通項。2023/12/20

ゼロ投資大学

2
2000年に入ってから、強権的指導者といってよい権力者が世界中で台頭するようになった。その中の多くが民主主義国家で、選挙を経て選ばれた政治家が強権的になっていることは興味深い。2022/10/01

お抹茶

0
強権的指導者と聞いて思い当たるのは,トランプ,習近平,プーチン,エルドアン,ドゥテルテあたりだろうか。本書では,他に,オルバン,ムハンマド皇太子,モディ,ネタニヤフ,ブルソナロ,アハメドなども挙げる。イギリスのジョンソンもリストアップされているのが意外だった。それぞれに濃淡はあるかもしれないが,リベラルな民主主義に否定的で,嘘やごまかしも含めた強権的政治を進める。なんだか悲観的になるタイトルだが,強権的でない君主や首脳が統治する時代の方が特異なのかもしれない。2022/09/01

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