ちくま学芸文庫<br> 卵のように軽やかに ――サティによるサティ

個数:1
紙書籍版価格
¥1,430
  • 電子書籍
  • Reader

ちくま学芸文庫
卵のように軽やかに ――サティによるサティ

  • ISBN:9784480096340

ファイル: /

内容説明

《3つのジムノペディ》で知られるサティ。彼はこんにちの実験音楽・環境音楽の先駆けをなす創作を試みた音楽家だったが、それだけではない。コクトーやピカソらと交流し、写真家マン・レイにインスピレーションを与えるなど、音楽の枠を超える自由な創作を楽しみ、それゆえ音楽史においては常に“異端児”のように扱われてきた。サティとは一体何者? 本書は彼の書いた音楽評論・エッセイ・詩・戯曲などを精選。時にユーモラス、時にシニカル。軽妙洒脱なエスプリをご堪能あれ。

目次

1 最後から二番目の思想/カトリックの芸術家とすべてのキリスト教徒にあてたエリック・サティの第一の書簡 アンブロワーズ・トマ 批評家礼賛 〈新青年〉派 〈六人組〉についての講演 コンサートの前説 〈六人組〉 音楽時評 イゴール・ストラヴィンスキー 低い声で話そう イゴール・ストラヴィンスキー 若い音楽家たち 音楽と動物〔講演〕/2 健忘症患者の回想録/私は何者か エリック・サティの身元調査 音楽家の一日 劇場のこと 単純な質問 古本屋 食卓で 我慢のならない範例 家具の音楽について/3 哺乳類の手帖/目まいについて 日本風サラダ 日本風サラダ 断片 頑固者の屁理屈 哺乳類の手帖(抄)/4 サティ詩抄/狩 蛸 タンゴ 橇 有害な邪魔者 (真昼の)朝の黄昏 花崗岩的な狂乱 田園相聞歌 朝の歌 瞑想 ナマコの胎児 チューリップの小っちゃな王女さまがなんて仰言っているか、知ってる? 子守唄 大きな階段のマーチ 厳しい叱責 船について ランプについて 兜について おしゃべり女 エスパニャーニャ キムブリ族の敗退の夢 3つの恋愛詩/5 メドゥーサの罠/補注/訳者あとがき/文庫版エッセイ(高橋アキ)

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

藤月はな(灯れ松明の火)

58
エリック・サティのことを「サティおじさん」と呼びたくなるようなチャーミングなエッセイ。何気ない日常を色彩とメロディと良い匂いでほわわんと語りながらも毒舌炸裂。特に動物への愛情深さに対し、音楽の精神性(アウラ)を型に嵌めこむとする音楽界やワグナー・批評家第一主義への批判の冷ややかさはクスリと笑ってしまいます。2015/01/09

壱萬参仟縁

38
1992年初出。芸術家は夢想家にすぎない。批評家は現実の意識を、自分自身の意識をもっている(018頁)。進歩はつねに激しい敵対にあう(062頁)。人は貧しい生活を平然と醜いものにしていっていいものだろうか?(109頁)いけないと思いますよ。本屋には逍遥(ぶらつき)の殿堂といえるようなところがある(111頁)。確かに。無目的に適当な本を手に取り、多少捲ってみる。お金にはどうして匂いがないのだろう。何でも手にはいるものなのに。2016/06/06

もよ

14
「メドゥーサの罠」を読んだほかは拾い読みなので読んだとは言えないかも。 「メドゥーサの罠」は台本を読みながら、音楽を一緒に聴くと、間奏曲的な音楽と不条理な台本が、一見関係ないのになんだか関係ありそうでとてもよかった。2016/03/27

ラウリスタ~

13
詩人かと思えば、音楽家で、現代音楽家かと思えば実は19世紀末〜20世紀初頭の人で、と、何読んでるか分からないような本。劇なんかも含まれているから、文学的な傾向が強かったことは確かだろう。ただ、題名の通りに軽やかに流れ去るエッセイのような文章なので、サティの音楽について全くの無知である僕にはなんのことやら。2014/12/08

きゅー

8
サティのジムノペディに理解が及ばないように、本書の内容も頭に入ってこなかった。タイトルにもあるけれど、こういった軽やかさというのは意外に難しい。受けた印象としては、自分の本当の姿を表に出そうとせず、諧謔のマントで身を隠そうとしているイメージ。その奥が見通せない。 2024/06/21

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/8330051
  • ご注意事項

最近チェックした商品