内容説明
「あの家のこの部屋は……密室、だったんです」
持ち主が悲惨な死を遂げ、今では廃屋同然の別荘〈星月荘〉。
訪れた四人の若者を襲った凄まじい殺人事件の真相は?
表題作「人間じゃない――B〇四号室の患者――」ほか、
『人形館の殺人』の後日譚「赤いマント」、
『どんどん橋、落ちた』の番外編「洗礼」など、
自作とさまざまにリンクする五編に加えて、
『7人の名探偵』の「仮題・ぬえの密室」を完全収録。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
yukaring
101
単行本を持っているが追加収録があると聞いたため文庫も購入📖『人形館』の後日譚にあたる「赤いマント」や不思議な世界観の「崩壊の前日」『深泥丘』の番外編である「蒼白い女」などホラーあり幻想ありミステリありの綾辻さんワールドの見本市。どれも面白いが表題作の「人間じゃない」がやっぱり一番。曰く因縁のある屋敷を若者達が訪れた夜に起こる凄惨な事件。不気味なタイトルがそのままこの物語を表している。そしてスッキリしない不穏な余韻が残るラストも好み。追加収録の「ぬえの密室」は打って変わって少しほのぼのするミステリだった。2022/08/16
NADIA
84
『人形館の殺人』の登場人物が絡むその後の事件などが収録された本格短編集。昭和が凝縮したホラー寄りな雰囲気の作品もあるのが綾辻っぽい。作者の大学時代の京大ミステリ研のメンバーたちと語らう「仮題・ぬえの密室」が特によかったかな。それにしてもすごいビッグネームぞろいだと改めて感心。2023/07/04
mihya
83
遠田志帆さんの表紙が目をひく。色々詰め込んだ短編集。怖かったり、考えたり、楽しんだ。 『綾辻行人は揺るがない』(解説より) ああ、読んでない綾辻作品を読もう。一度読んだのも再度読もう。2022/08/30
キナコ
71
ホラーミステリーもの。全6作品の短編。ライトミステリーに、ホラーが混じった感じかな。別冊の『眼球綺譚』でも出てきたキャラクターも再登場。また『7人の探偵』でも掲載されていた作品もあったが、改めて読むとやっぱり面白かった。2023/05/09
ピース
70
番外編のような短編集だった。最後の「仮題·ぬえの密室」がよかった。我孫子武丸、法月綸太郎、小野不由美との会話は臨場感があって楽しかった。そして有栖川有栖も少し出てきた。彼らの作品も読んでみたい。2023/02/13
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