内容説明
デビュー後、編集部の要請で送られていた習作短篇3篇とデビュー当時の様子を友人に書き送った「ハサミ男の秘密の日記」を収録。独特の笑いとセンス、ペーソスを湛えた殊能将之初期作品集。
2013年の急逝後も、ミステリファンの間で語られ続ける著者の未発表作品を待望の文庫化。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
yukaring
85
『ハサミ男』で有名な殊能将之の没後に発見された未発表作3編。本人曰く「暇潰しに書いたもの」と書き残しているらしいが、どれも発想が面白く先の読めない展開が斬新。特に『犬がこわい』がお気に入りでまさかの展開にはビックリ😲帯やあとがきにも書かれているが、本当に素晴らしい才能の持ち主で本当に惜しい人を早くに亡くしたと残念に思う。最後に収録の『ハサミ男の秘密の日記』は『ハサミ男』がメフィスト賞を取ってからの出版社とのやり取りや身内の反応、自分のちょっと惚けた言動などが日記形式で語られるユーモア溢れる内容が楽しい。2022/09/22
雪紫
82
「ミートパイ食べたい(この本にミートパイは出ていません)。」殊能さん没後に発見された3つの短編小説とハサミ男出版までのあれこれ日記を収録。SF(少し・フシギ)で何処か狂った世界。短編は「犬がこわい」がまともだけど一番好きかな。奥さんとのやりとりとか。「ハサミ男の秘密の日記」は姉一家とのやりとりがいい。裏話が明らかになるとともに周りが個性豊かなひと達で。ああ、亡くなってもう、9年か・・・。2022/08/10
のり
74
「殊能将之」の作品をまた読めるなんて思っていなかった。先日、読友さんのレビューで知った一冊。デビュー前の3話+ハサミ男の秘密の日記というエッセイ風の作品。解説を含め、謎めいた殊能将之を知れた感じがした。派手な印象はないが、原点と言える3話全てが良かった。改めて早逝した事が残念でならない。2024/03/09
kokada_jnet
63
死去2013年。単行本2016年、文庫2022年。編集者のもとにあった短編小説3編と、作家デビュー前後を描いた記録「ハサミ男の秘密の日記」を収録。短編3作は、それぞれ、日常から転じるちょっとした非日常を描いているが。殊能将之の遺作的な作品といわれると、かなり、物足りない。山上龍彦の小説作品には似ているかも。また、大森望氏の解説がが少し誤解を呼びそうですが。デビュー前の田波正氏が「有名」だったのは、あくまでもプロやセミプロのSF関係者の方々のあいだのことで。一般のSFファンに有名だった訳ではないのです。2026/05/06
よっち
63
「ハサミ男」を皮切りに長編ミステリを生み出しながら2013年2月に急逝した作家・殊能将之。没後に発見された3つの未発表短編などが収録された初期作品集。犬が怖い男が娘に犬を買いたいと言われる話の顛末、登場人物がゲーム感覚で追いかける鬼ごっこ、主人公にだけ見える友人の奥さんを綴った3つの短編、ハサミ男誕生の経緯を語る「ハサミ男の秘密の日記」を収録。なかなかシュールな構図もあって興味深く読むことができましたが、これを読んでいて改めてこの著者さんの新作はもう読むことができないんだな…としんみりとしてしまいました。2022/09/20
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