内容説明
トーマと呼ばれた美しい下級生から、ユーリに届いた1通の手紙。それは、彼からの遺書だった――。そこへトーマに生き写しの転校生・エーリクが現れ、オスカーは、遺された想いに縛られた親友・ユーリを憂慮する。揺れ動く心を捉える生と死、そして愛……。苦悩する少年たちを色鮮やかに描いた、萩尾望都の不朽の名作に、森博嗣が、今、新しい息吹を吹き込む。
※本書は、2012年4月にMF文庫ダ・ヴィンチより出版されました。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
佐島楓
64
確かノベルス版で読んでいたと思うので、実質的には再読。一番の森作品らしい仕掛けは覚えていた。森さんは萩尾作品に影響を受けているはずなので、最高のマッチング。詩的な世界。2022/08/20
涼
55
http://naym1.cocolog-nifty.com/tetsuya/2025/08/post-5a7d1c.html 著者が敬愛していらっしゃる萩尾望都原作のノベライズです。 ギムナジウムと呼ばれるヨーロッパの中等学校での話です。BLものと呼ばれているようですが、こうした学校制度が興味深かったです。2025/08/13
Shun
39
原作は未読。漫画家の萩尾望都による同名コミックを、作家の森博嗣が小説化。コミックをあまり知らない私でも萩尾望都という名はSF談義等で知り、日本漫画の黄金期を築いたレジェンドという認識。その漫画の名作を森博嗣というミステリ作家が小説化したらどんな作品になるのか。個人的に森博嗣さんの書くものには理系的な感性と独特な文体をもった小説という印象を持っていて、原作が扱っているであろう少年たちの純粋さや愛と苦悩というテーマを描くのにとても相応しい書き手だったのではないかという感想です。思わず溜息が漏れそうになる作品。2022/08/17
なつくさ
36
森さんのこういう文章が好きだ。いつも頭に浮かぶのは静かな水の中を揺蕩っている感じ。水中は深いのだけれど、光が透き通っている。頭がスッとし、心がふわっとする。だから、疲れた時は森さんの文が無性に読みたくなる。トーマの心臓は萩尾望都さんの漫画を小説化したもの。西之園都馬の話ではない。原作は未読。森さんが珍しくあとがきを書き、神と崇める萩尾さん。原作とはやはり違うらしい。トーマの心臓の題名の意味も結局、分からないままだ。だから、原作を読みたくなる。そういう誘導だろうか。その作戦は少なくとも僕には有効のようです。2022/10/01
kieth文
17
読後すぐに萩尾望都さんの原作漫画を読み直した。ずっと以前に読んで忘れてたし、あの頃はただ少年たちの綺麗なわちゃわちゃを読んでた気がする。 原作の方がより宗教観が強いかもしれない。あとオスカーの印象も違う。 そして森博嗣さんの描き方も少年の純粋で透明な気持ちが綺麗だった。2022/11/08
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