講談社学術文庫<br> そば学大全 日本と世界のソバ食文化

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講談社学術文庫
そば学大全 日本と世界のソバ食文化

  • ISBN:9784065290323

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内容説明

日本が誇る伝統食にして健康食、そば。しかし、植物であると同時に作物でもあるソバの文化は、日本だけのものではない。ソバの本場・信州で研究を積んだ農学者が、世界のソバ食文化を探訪して日本のそばの魅力を再発見する。さらにその栄養と味覚、健康食品としての機能や、品種改良についても解説。
江戸の農書に表れる「ソバめくそ」「めくそ飯」とは何か? 「普通種」よりも収量が多くて安定しているダッタンソバ、ニガソバは、なぜ日本で栽培されなかったのか? なぜ「手打ちそば」が上等なのか? 朝鮮半島のシミョン、カルクッス、中国の「猫の耳たぶ」マオアルドウ、ネパールのソバの腸詰、ウクライナのソバカーシャ、スロベニアのソバ団子、フランスのガレットに、イタリアのポレンタ・・・各地のソバ食レシピをみれば、日本の「そば切り」を本流とする麺食ばかりがソバではない。縄文時代から親しまれる、ソバをもっと楽しむ本。〔原本:平凡社、2002年刊〕

目次

序 章 ソバとの出会い――私の研究歴
第一章 植物としてのソバ、作物としてのソバ
植物としての基本的性質
食糧も農地も不足していた時代の工夫
飽食の時代、農地あまりの時代に
品種をつくるむずかしさ
第二章 日本のソバとそば
日本のソバの歴史
そば切りの誕生と発展
商いの方法の変化
そば切り成長の要因
第三章 世界のソバ食文化紀行
朝鮮半島
中国大陸
ヒマラヤの国々
ロシア、ウクライナ、キルギスタン
ポーランド
スロベニア
フランス
イタリア
第四章 ソバの栄養と健康
ソバ粉の予備知識
ソバ粉の一次機能――栄養など
ソバ粉の二次機能――味覚など
ソバ粉の三次機能――健康とのかかわり
セリアック病――パンの国のグルテンフリー
第五章 日本「再発見」
伝統のソバ料理の数々――外から見た日本
ハレとケ(ご馳走と日常)を分けたのは
ソバ料理の可能性を広げて楽しんでみませんか
あとがき
解説 ソバは言うことを聞かない子供の様で可愛げがある……松島憲一

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

金吾

30
著者のそば愛がよく伝わります。ややマニアックながらそばに関して新たな視点に導かれます。世界各国のそばの話が印象的でした。2023/05/02

かわかみ

8
てっきり蕎麦料理の本かと思いきや、さに非ず。著者は農学者であり蕎麦料理についても書かれているが、まずは作物としての蕎麦の特性について説明されている。繁殖や生育において、蕎麦には稲や麦とは異なる特性があり、それ故に栽培には困難が多く、よい土地があるからと言って生産を増やせるものではないことを知った。救荒作物として役立っていたのに意外であった。また、江戸では饂飩よりも蕎麦が消費されるようになったのは白米食が普及した結果、脚気が流行ったことも一因だったとの指摘も盲点であった。2023/12/03

niz001

5
中国とあとはガレットぐらいしか知らなかったので、意外に食べられているのに驚き。2025/04/09

Sanchai

3
本書にて言及もあり、著者も解説者も訪れているヒマラヤの山岳国に駐在している身としては、本書は1冊購入して、現地で回し読みでもしたいと思える内容だった。「自家不和合性」と「無限伸育性」という特徴(特に後者)が、こちらの人の行動特性と合っていると思うし、どうりでソバの産地ではハチミツも生産されているわけだわとも思った。2022/11/01

juunty

1
世界の蕎麦食文化に触れている点は秀逸であり興味深い。特に東欧のカーシャ文化について詳しく書いてある。また、イタリア・フランスなどの蕎麦食文化はあまり聞いたことがないので、貴重な内容であったと思う。残念に思う点が、文章の表現。一つの文の中に2つも3つも内容を組み込んでいる部分や、主語が非常に長い部分があり、内容を読み取りにくいと感じたところがあった。文章の読み取りには多少の慣れが必要であるが、蕎麦に対する興味が深まると思った。2022/09/08

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