内容説明
彼は何を語り、何を語らなかったのか――
1964年、国際的に無名の日本人によるベトナム戦争の写真がアメリカの週刊グラフ誌「LIFE」で特集された。迫真のレポートは大きな反響を呼び、岡村昭彦は一躍、時の人となった。以後、澤田教一をはじめ多くの若者たちがベトナム入りを果たすこととなる。
反戦を訴え、生命倫理を説くその活躍をまぶしく見ていた姪はしかし、現在では定説となっている逸話のところどころに違和感を覚えつづけた。
そして、真の岡村昭彦の姿を求める旅が始まった。
これまで拾われてこなかった声をたどるなかで、ジャーナリズムにとって報道写真にとって〈真実〉とは何か、という問いが立ちはだかる。丹念な取材から人間・岡村昭彦が浮かび上がるとともに、その生きた時代が見えてくる。
目次
はじめに――時代の寵児 1964年夏
第1章 記憶の森へ
伯父/躓きの小石/旅のはじめに――ふたりの写真家
第2章 岡村昭彦を探して
出自/生家/少年時代/空襲
第3章 語られなかった日々
焼け跡闇市派/北海道/信州/千葉/東京/東南アジア/筑豊/分岐点
第4章 戦場にて
仲間/遺書/「キャパの眼」
第5章 浜名湖畔の別荘
母、舞阪に生きる/母のことば/母の死/舞阪の家、その後
第6章 「兄貴」と「妹」「弟」
3年間の助手/筑豊の弟/千葉の妹/炭鉱の町の写真家/生涯一カメラマン/香港での邂逅
第7章 死――1985年3月24日
急逝/死の直前、アイルランドにて/葬儀告別式/家の跡
第8章 それから
金星紅旗――ホーチミンを訪ねて/没後29年目の写真展/「棺の写真」/最後に――「部落と炭鉱」に誘ったのは
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