内容説明
ご存じですか?戦前、AKBセンターの元祖と言っても過言ではない“アイドル”がいたことを
「戦争」という時代の波に翻弄され、空襲の下でも、「滅私奉公で兵隊さんや観客の方をお慰めできればいい」とステージに立ち続けた明日待子。彼女の生きざまには、他者を第一に思いやる日本人のDNAが滲み出ている。
NHKドラマ『アイドル』、2022年8月11日19時30分より総合テレビで放送決定!主演:古川琴音、共演:山崎育三郎ほか
私たちは、待子さんが何度も口に出した「滅私奉公」という言葉すら死語になった時代を生きている。だが、「滅私奉公」をする相手が観客だと言い切った待子さんに、私はアイドルの宿命と使命、その究極を見た思いがした。アイドルは大衆を動員する最強の装置。それは否定しがたい。「時代がそうでした……」と待子さんはこうも言った。待子さんの口を通すと、それは強い説得力を持って伝わってきた。だが、「常に戦争があった」「青春時代は戦争一色だった」とは、やはり悲しすぎる言葉だと思えてならない。……あとがきより
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
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5
NHKドラマ「アイドル」が面白かったのでこちらも。戦時中でも明日待子としてムーラン・ルージュの灯りを絶やさず前向きに生きたとし子。支配人佐々木の養子になったからここまで長く活躍できたのでは、という気もする。2022/10/15
hideto
4
先日放送されたドラマ「アイドル」を見て明日待子さんの存在を知り、こんな人が戦前にいたなんて!と興味をそそられ読み始め。東北から東京へ出てきた少女が一躍小劇場でアイドルとなっていく姿は本当にドラマチック。明日待子さんの写真がたくさん掲載されていますが、今見てもキュートで可愛らしい。人気があったのもうなずけます。戦前というと一括りで暗いイメージしかありませんでしたが、こんなかわいいアイドルがいて、ファンも劇場に通う。今と変わらないところもあったんだと知ることができました。2022/10/21
ポラオ
2
●アンジュルムの伊勢鈴蘭ちゃんがリアルにお世話になったお婆ちゃんである明日待子さんに人生を知りたくて読んだ。彼女の人生以外のムーラン・ルージュの話も多く面白くはあるが知りたいのはそれじゃないんだ…と思ってしまったけど、明日待子の戦地慰問の話、結婚して北海道に移住してからの話はとても興味深く、歴史の重みを感じた。平和に舞台を楽しめる時代が何よりも大切ですね。2024/05/04
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