内容説明
出版社に入れず銀座の紙の代理店に入社した神井航樹は、無理解な上司に睨まれ、先輩や取引先の「鬼」部長に揉まれつつ、本は紙でできていることを胸に品薄な用紙の確保に奔走する。社会の荒波に飛び込み、一歩一歩夢へと近づいていく若者の仕事と恋を描く、すべての働く人々に贈る感動の人間ドラマ。『銀座の紙ひこうき』改題。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
みかん🍊
98
著者の自伝的小説なのかなと思われる作品、出版社への就職jに破れ、銀座に本社のある紙の商社に就職した主人公のお仕事小説でもあり、青春小説でもある、本は紙で出来ている、希望した職種ではなかったが、少しでも出版に近づく為に奮闘するも思うように行かなかったり悩んだりするが、夢に近づく道は真っ直ぐな1本道ではない、回り道でも役に立たない事はない。文庫本化で改変されたらしいが、単行本の『銀座の紙ひこうき』と言うタイトルの方がよかた。2022/11/21
カブ
49
時は昭和時代、新入社員として紙の代理店に入社した主人公が、成長していく様が描かれる一方で、紙のことが詳しくわかる本好きにはたまらない作品です。本は紙でできている。「本、そして紙を愛する人に」2022/07/05
ともくん
36
"本は紙でできている" 一九八七年、紙の代理店に入社した神井航樹。 あまりにありふれた事実に、意識もしていなかった。 航樹の夢は、紙でできている。 だが、紙の代理店では実現できない。 本音と建前。 これを前に、苦悩する航樹はどうするのか。 2023/10/23
GAKU
30
初読みの作家さん。留年してまで出版業界への就職を目指すもかなわず、多少なりとも出版業界と関わりのある中堅紙商社へ就職した、神井航樹を主人公とした物語。仕入部門に配属され悪戦苦闘するも、少しづつ成長し一人前に育っていく神井。しかし出版業界への夢を諦めきれず、このままでよいのかと悩む神井。中学生の時の初恋の人と、久しぶりに再会し恋に発展するのかという、淡い物語も織り込まれています。自分が社会人になりたての頃の思い出とリンクして、感傷的な気分に浸ってしまいました。⇒2025/08/15
SHADE
28
最高に面白かった!作者自身の話では…?と思った。僕も職種を変えた経験がある。不安しかない当時の記憶が鮮明に蘇った。数々の苦い失敗。人も沢山怒らせた。やがて無知が不安を作り上げるのだと思い知った。不安を抱えた人間のやる先には失敗が待っている。無知の反対は経験。経験を積めば対処力が増し必要以上の不安は持たなくて、済む。落ち着いた行動の先には人に対する思い遣りなどの余裕も生まれる。【年の功】とは良く言ったもので、人生は経験が全てだと今のところ、思っている。そんな思いを改めて呼び起こしてくれた貴重な作品だった。2022/08/28
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