内容説明
本書は、美容行為(産業から日常的なものまで)を、男性支配と女性の従属を促進させる「有害な文化習慣」としてとらえ、西洋中心的・男性中心的価値観を痛烈に批判する。
目次
日本語版序文
新版序文
序 章 女性の従属と自傷としての美容行為
第1章 身体を支配する文化――主体性か従属か
第2章 西洋における有害な文化的慣行
第3章 トランスフェミニニティ――男が実践する「女らしさ」の現実
第4章 ポルノ化する文化――性産業が構築する「美」
第5章 ファッションとミソジニー
第6章 化粧の罠――日常の美容行為に潜むもの
第7章 足と靴のフェティシズム――足を不自由にされる女たち
第8章 切り刻まれる女――代理的自傷行為としての美容行為
終 章――自傷の文化から抵抗の文化へ
訳者解題
文献一覧
索引
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
katoyann
31
国連や女性差別撤廃条約で指摘されている「有害な文化的慣行」として西欧社会の美容行為を批判的に分析した学術書。本書では、ポルノ産業が女性の美容行為に対して悪影響を及ぼしている事例として、ラビアプラスティ(小陰唇切除)や豊胸手術を挙げている。いずれも健康に害があるが、批判の槍玉になるのは、美容行為に投資することを女性の自己実現に位置付けたリベラルフェミニズムとポストモダンフェミニズムである。化粧もハイヒールを履くこともピアッシングもいずれも健康被害を超えて男性支配への従属を象徴するという。痛快なラディフェミ。2022/09/09
松本直哉
26
顔を隠すイスラムのヴェールと顔を飾る化粧が、正反対かに見えて素肌の忌避という一点を共有し、いずれも男性による女性の性的客体化の所産だという。ハイヒールも化粧も豊胸も、もともとは性売買従事者の行為だったのが、いつしか一般の女性にも広がって、今では女性に自信をもたせエンパワーするものと捉えられているのは、男性視点の価値観を女性がいかに内面化してきたかを示す。とはいえ、定期的にまつげエクステに通ったり流行の服を買ってきたりして、鏡の前でにこにこしている娘たちに、そんな説教をするのは野暮の骨頂でしかないのだよね2025/04/30
はるき
13
美容行為全てが媚びへつらう為と言うのは暴論だと思う…。でも、日本で言う「女子力」って要するに、男性ウケに特化してないかい?2024/10/13
さとちゃん
9
美容行為を男性支配と女性の服従を促進させる「有害な文化習慣」として捉えるとは、どういうこと? と気になって読み始めて一ヶ月、ようやく読了。ちょっと違うかなと思うところもありはしたけれど、この視点は大切かもしれない。私にとって化粧したり、パンプスを履いたりする行為は戦支度だもの。2022/12/17
ムチコ
8
自分が自分の美しいと思う姿でありたいと願うことと、その「美の基準」が社会によって刷り込まれていることだという認識の間でどう折り合いをつけるか、を考えたくて(もちろん原著者がかなり先鋭的なトランス批判の人であることは承知のうえで)手に取ったが、それらの疑問にはあまり参考にならず、そのような考え方を浸透させた社会ではなくそのような考え方を持つ人間への攻撃に終始しており、さらにはトランス(身体を変容させたいと考える人)への攻撃的かつ誘導的な書きぶりにも疲弊し、読み通すのが非常に苦痛だった。2026/04/06
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