内容説明
女性兵士は男女平等の象徴か?
戦争や軍隊は、どのような男性や女性によって担われ、いかなる加害/被害関係を生起させているのか。
既存のジェンダー秩序を自明のものとすることなく、批判的に検証する。
目次
はじめに
第1部 ジェンダーから問う戦争・軍隊の社会学
第1章 ジェンダーから問う戦争・軍隊の社会学
第2章 戦争・軍隊の男性(性)研究
第3章 軍事主義・軍事化・家父長制
第2部 女性兵士という難問
第4章 女性兵士を取りまく困難
第5章 女性兵士は男女平等の象徴か?
第6章 戦争・軍隊とフェミニズム
第3部 自衛隊におけるジェンダー
第7章 カモフラージュされた軍隊――自衛隊とグローバルなジェンダー主流化
第8章 ジェンダー化される「ポストモダンの軍隊」
――「新しさ」をめぐり動員される女性性/男性性
第9章 「利他的」な日本の自衛隊と女性活用
第4部 米軍におけるジェンダー
第10章 アメリカにおける軍隊の女性の今
第11章 軍事化される「平等」と「多様性」――米軍を手がかりとして
第5部 戦争・軍隊と性
第12章 戦争・軍隊と性――『兵士とセックス』を読む
第13章 戦争と性暴力――語りの正統性をめぐって
終 章 戦争・軍隊の批判的ジェンダー研究のために
註
あとがき
初出一覧
参考文献
索引
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
榊原 香織
70
ジェンダー研究、自衛隊における女性、の研究してる人なんているんだなあ、と。 かなり難しい。研究書です。 1990年代には、ワインレッド作戦、として女性自衛官をミスコンテストに出す広報戦略が行われたそうですw バブルの頃かな2022/11/22
Nobuko Hashimoto
27
今年の共同研究の参考に。女性兵士、自衛隊についての長年の研究から最新の動向までをまとめたもの。先行研究を丁寧に説明してあり、論点が整理されていて参考になった。日米の軍隊のあり方や存在意義、動向を中心に論じてあり、欧州、とくに東欧諸国の軍事や軍隊の存在意義やありよう、国民の戦争への危機感などとの相違を感じた。2022/10/17
器
13
よく知らない分野の本だったので難しかったですが、なんとか読み終えました。面白かったです。2022/09/08
メロン
8
話題になっていたところとフェミニズムには興味があったので手に取ってみた。内容は社会学独特の解説が都度はいるし、論文ベースなので非常に難しい書籍だった。正直理解しきれていない。表題の女性兵士という難問については、第二部で扱うのみであり、男女平等を求めるために軍事化に包摂されるパラドックスについての解はなかった。自衛隊のソフト化、先進諸国として男女平等としてのための広報装置として女性自衛官を利用してきた部分の論考は興味深く読むことができた。私の理解不足もあるがフェミニズムと軍事について説得力のあるないようでは2024/09/01
owlsoul
6
「男の聖域」とされる軍隊。そこに女性が参入することはフェミニストの間でも賛否が分かれているらしい。軍隊は「男性神話」によって駆動される組織であり、それ故に女性や同性愛者は排除され、戦地では兵士による性暴力が頻発する。国際的な潮流としては、侵略ではなく平和維持を目的とした「ポストモダンな軍隊」の構築が叫ばれており、その概念には女性兵士の存在が不可欠だ。しかし、著者の目にはそのような潮流も、フェミニズムの知を利用した帝国主義の再来に見える。女性の軍事化、または軍隊の女性化。それは世界にとって望むべきことなのか2022/10/09
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