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内容説明
日本初刊行、天才のすべてがわかる決定版がついに文庫化
IQ180以上、中学校中退。起業、AppleでSiriの開発に関わり20代で性を変えた無政府主義者が台湾政府で活躍するまで。
※この電子書籍は2022年9月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
KG
4
オードリー・タンという人の天才ぶりが書かれた本だと思って読み始めたが、どちらかというとタンやテクノロジーをキーにして台湾の政治や人々のことを知ることができる本だった。本書の内容は、あくまで著者視点で調べられたことで、台湾の政治の一端かもしれない。けど、それを踏まえても、台湾政府の実行力や若年層の政治への関心の高さには驚くばかり。タンのインターネットに対する考え方も新鮮で、情報は正しく、分かりやすく、公平に伝わることが大事というのには、なるほどと思った。透明性の高い政治を目指す台湾のエネルギーを感じた。2023/10/26
iwtn_
3
話題の人だったので何か1冊読みたいな、と思っているうちに文庫が出た。コロナも3年ぐらい経過しつつある、ということか。オードリー氏の経歴がまとまっている。中にも書かれているが、一人の天才の才能の発露よりも、より人々が協力できることが大事ということなんじゃないか。しかしそうなってくると、副題にある「天才」の文字は余計なものに見えてくる。彼女の能力や実績は素晴らしい。ハッカー精神を行政レベルで実践しているのは稀有だと思う。ただ、コロナも3年ほど経過して状況も変わってきている。振り返りも兼ねて読めてよかった。2022/08/12
shosho
2
情報の可視化が実現していることや、「市民が提案、国民が参加」の理念が当たり前となっているところが進歩的。協働会議の場も、意見徴取のアリバイ作りではなく、「誰もが受け入れられる価値、皆に利益のある解決策を探し出せる」とあり、その手法が気になる。フェイク情報に対して、単に事実を伝えるだけでなく、ユーモアを交えて本当の情報を発信することで、デマよりも速く伝わるというのは興味深い。2022/11/30
小寅
0
台湾のコロナ禍でのマスク管理でオードリー·タンを知った時に何で日本にはこういう人がいないんだろうと思った。天才ならではの苦労と言うには大変過ぎる苦労、家族も交えて生活の基盤から変えなくてはならない事等、驚くばかり。自分の才能を開花させられる場所が見つかり、そして、今の活躍は、ただただ、良かったと言う気持ち。それと、特別付録の台湾 新型コロナウイルスとの戦いでは、WHOの台湾への対応の酷さと日本での対応の遅さや認識の低さに愕然とした。当時の日本の閣僚は特別付録を全員、読んだ方が良いのではと思ってしまった。 2023/04/09
三井寿里
0
3年ぶりに訪れた台湾で、人々がきちんとマスクをつけ、コロナ禍以前と変わらない日常を送っているのを目の当たりにして、マスクを行き渡らせるシステムを作った彼女のことを知りたくなりました。IQ180と言われる天才の思考、決して平坦とは言えずむしろ困難の連続だった子供時代、ひまわり学生運動の背景や当時彼女たちが果たした役割を知ることが出来、読み応えある一冊です。巻末特別付録、2019年大晦日から始まる台湾と新型コロナの闘いについてのレポートは、台湾の人々が何をして何をしなかったのかつぶさに解る貴重な資料です。2022/11/28