内容説明
「一応、暴力だろ。石でも言葉でも嫌悪でも」。妻の親友の家に招かれた僕。だが突然僕の行動をめぐってミニ裁判が始まり……心に潜む “明るすぎる闇“に迫る綿矢りさ新境地! 全4作収録
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
starbro
490
綿矢りさは、新作中心に読んでいる作家です。 著者の最新作は、クセの強い人たちの短編集、オススメは、『眼帯のミニーマウス』&『老は害で若も輩』です。 薄い短編集ながら、パンチがあります🥊 https://book.asahi.com/article/146843992022/09/06
さてさて
451
『純文学の作家とはこんなにもめんどくさい生き物なのだろうか』。そんな自虐的な言葉が踊る書き下ろしの短編を含めた四つの短編が収録されたこの作品は、真っ赤な表紙に水色のドット、そこに巨大な字で「嫌いなら呼ぶなよ」と記された表紙がインパクト絶大です。そこには、毒々しいまでにとんがった物語世界が描かれていました。コロナ禍を痛烈に見る視点がとても新しいこの作品。極めて読みやすい物語の中に、とんがった表現が際立つこの作品。どこまでも吹っ切れた切り口の先に世の中を鋭く見据える綿矢りささんの凄みを見た、そんな作品でした。2024/01/25
まこみや
377
「どいつもこいつも心のタガがぶっ壊れていて、こんな奴が周りにいたら面倒だぜ」「反面、今の社会では依存症から誰しも無限ループの悪循環にハマってしまう恐れがあるよね」「確かに。彼らの語るリクツは筋が通らないけど、妙に納得させられることがあってオモシロイ」「それはジコチューなチャラい語り口のせいかも」「深刻さは裏返せばドタバタに通じるってことかな」「綿矢りさってこんなんだった?何だかイメージと違ったなあ」2022/09/23
うっちー
352
最後の短編はノンフィクションぽくって、面白かった2022/09/01
やっちゃん
260
綿谷りさの毒舌冴え渡る。現代の若者をとことん馬鹿にした上でぶった斬る。いまどきの若者の生態を極端に表現したらこうなるのか?どうかは知らんけどお笑い小説として楽しめるし、純文学ならではの細かな心情の描写はさすが。2023/05/20