内容説明
どうせ死ぬなら殺してみませんか?
希望を喪った男の心を動かしたのは
殺人の依頼状だった──
二転三転する“完全犯罪”計画の結末は!?
胸を打つサスペンスミステリー!
パワハラのトラウマに苛まれる秀文は、退職から半年が過ぎても
社会復帰できずにいることに絶望を感じていた。
首を吊るために朽ち果てた神社の桜の木にのぼると、
白い封筒が大きな洞に差し込まれているのを見つける。
〈どうせ死ぬなら殺してみませんか?〉
と書かれた手紙は交換殺人の依頼状だった。
手紙を置いたのは白いセーラー服と紺色のスカートを纏った少女だと判明するが……
奇妙な往復書簡の先に待つ殺人計画の顛末は!?
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
いつでも母さん
175
「どうせ死ぬなら殺してみませんか?」交換殺人とタイトルにもあるのだもの、どんなスリルが待っているのだろうかと‥あらら、往復書簡が繋ぐこの2人には殺人なんて出来そうなはずもなくの顛末。だがしかし、それぞれに十分に苦しい状況ではあったねぇ。小さな違和感までをちゃんと回収して、どんな結末が用意されているのかと気になり先を急ぐも、ラストの手紙にホッとして読了に至る。2022/08/25
ゆみねこ
78
パワハラで退社し半年経っても社会復帰出来ない秀文は、自殺を決意し首を吊るため朽ち果てた神社の桜の木に登った。そこで見つけたのは木の洞に差し込まれた白い封筒。「どうせ死ぬなら殺してみませんか?」交換殺人への依頼状から始まる奇妙な往復書簡。物騒な出だしから思わぬ方向に話が進み、爽やかな結末に。2022/12/23
ma-bo
77
首つり桜と呼ばれている木で自殺しようとした男が見つけたのは一通の手紙。「どうせ死ぬのなら殺してみませんか?」という交換殺人を提案する文面。引き込まれる設定であったが、動機や謎が明かされる後半が尻すぼみな感じが残念。2022/10/29
sayuri
77
帯には「どうせ死ぬなら殺してみませんか?」の文字、タイトルに「交換殺人」とあれば嫌でもスリリングな復讐物語を連想する。冒頭のパワハラ上司に苦しむ主人公の姿もリアルで掴みはOK。生きる事に絶望し自殺を決意した男が、朽ち果てた神社の桜の木で目にした白い封筒。そこから少女との奇妙な往復書簡がスタートするのだが、物語に漂う空気はどんどん軽やかになっていく。主人公の動機は理解出来ても、少女の殺したい相手が有り得なさ過ぎて拍子抜け。サスペンスミステリーと言うよりハートフルな青春物語。読後、180度印象が変化する作品。2022/09/02
さっこ
76
パワハラで会社を辞めた秀文。トラウマに苛まれ自殺を決意する。首吊り場所に選んだ神社で交換殺人を持ち掛ける手紙を見つける。「どうせ死ぬなら殺してみませんか」ハラハラドキドキサスペ~ンス!!かと思いきや、とてもハートウォーミングな作品でした。ちょっとした謎解き風味もあって面白かった。秀文が強くなっていくのが嬉しかった。2022/08/05