内容説明
盛岡のレストランで宮沢賢治の童話朗読会が開かれた。取材に赴いた夕刊紙記者・可能克郎は奇妙な出来事に遭遇。台本に賢治作品の贋物が紛れ込んでいたのだ。参加者を震撼させた“贋作騒動”は未解決。ところが二か月後、参加者の一人・倉村が変死する。朗読会に出演したタレント三木七重と参加メンバーの関係に不審を覚えた克郎は調査を進めるが……。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
coco夏ko10角
19
主人公・可能克郎(キリコの兄)は取材で盛岡へ、宮沢賢治の朗読会で奇妙な出来事が起こりそして事件が…。宮沢賢治の作品がたくさん出てくる。もともとは1996年に発表された作品。可能克郎が著作で一番多く登場したキャラだったとは。でも妻・智佐子さんの方がなんか気になる。2024/02/12
キナコ
18
初作者さん。宮沢賢治のオマージュかと思ったが、少し違う。宮沢賢治のファンが何故か宮沢賢治の作品に関連して死んでいくミステリー。探偵役として記者の可能が、事件を追っていくが作中でもあるように可能自身はワトソン役が多く、なかなか真相にまで行かないかな。宮沢賢治の作品が好きな人には良いのかも知れないが、ミステリー要素は少なめかな。2022/11/13
こばゆみ
12
25年くらい前に書かれたお話なのでちょっと違和感を感じる言葉遣いなどはあるけれど、宮沢賢治の作品と殺人事件を絡めてあって面白かった(^^) 宮沢賢治作品もっと読んでいれば更に楽しめたような気がするのが悔しい(笑)2022/09/23
紅羽
8
物語は盛岡のレストランで定期的に開かれる宮沢賢治の童話の朗読会から始まる。そこに賢治のものではない作品が紛れ込んでいた。謎が残るが、その真相は不明なまま時は流れ、2か月後、朗読会に参加した者が次々と不審な死を遂げていくというミステリ作品。真相に辿り着くまでの過程は興味深く、宮沢賢治の作品の足跡を辿るようで楽しかったのですが、結末は結構淡白に感じました。それでも棘のような切なさが心に刺さる作品でした。2022/09/16
はっか
5
宮沢賢治絡みで事件が発生。ストーリーは淡々とした印象を受けた。「注文の多い料理店」しか読んだことがなかったけど、考えてみればこの話もブラック(笑)。他の話も読んでみようか。2022/08/16