ちくま文庫<br> テュルリュパン ――ある運命の話

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ちくま文庫
テュルリュパン ――ある運命の話

  • ISBN:9784480437907

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内容説明

17世紀パリ、ルイ13世の宰相リシュリュー枢機卿は貴族勢力の一掃を決意し、陰謀をめぐらしていた。一方、運命がその企てを阻止するため選んだのは、自らを高貴の生まれと信じる町の床屋テュルリュパンだった。フランス大革命の150年前に画策された共和革命という奇想、時計仕掛めいたプロットがきりきり動いて物語は転がり落ちるように展開していく。稀代のストーリーテラーによる伝奇歴史小説。

目次

テュルリュパン/付録 同時代の書評/訳者あとがき

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

星落秋風五丈原

38
むかしむかしパリにとんでもなく思い込みの激しい床屋の若者がおりました。名前はテュルリュパン。自分が貴族の御落胤と信じているテュルリュパンは、いわくつきの葬式で自分をじっと見つめる女性こそが生みの母である!と確信し訪ねる決心を。ところが名宰相リシュリュー枢機卿のもと、泰平の世であったはずのパリは、風雲急を告げようとしていた。しがない床屋の若者が当代きっての権力者とどうやってつながりを?という疑問は、360度ひねってもとの位置に戻して「なぜこうなった?」を作り出してきたストーリーテリングの冴えをご覧あれ。2022/05/13

maja

20
1642年の「聖マルタンの日」、その日に向かって人々の高揚とともに刻々と時は迫る。十二使徒小路に暮らすテュルリュパンは自身が選ばれし存在だと信じる小さな床屋の夢想家の青年であって、天の啓示のごとく公爵夫人が自分の母親だと思い込む。神は近くまた遠い。フランス共和国を夢見る宰相リシュリュー枢機卿のもと手筈はすでに整った企ての大きな流れを、ひとりの男の思いこみが図らずも転覆させていくという可笑しみと哀しみの物語。 2022/06/28

本木英朗

19
フランスの小説家のひとりである、レオ・ぺルッツの長編のひとつである。17世紀パリ。ルイ13世の宰相リシュリュー枢機卿は貴族勢力の一掃を決意し、陰謀をめぐらしていた。一方、運命がその企てを阻止するために選んだのは、自らを高貴の生まれと信じる町の床屋テュルリュパンだった――という話であるが……。うーん、途中からさっぱり分からなくなってしまった。やはりレオ・ぺルッツの作品は、ちょっと俺にはダメであるようだ。……とりあえず以上です。2022/05/29

鐵太郎

18
聖マルタンの日とは、11月11日のこと。1642年のこの日何が起きたのか、というより、何が起きなかったのか。この年の12月4日に死去したリシュリュー枢機卿はなにを画策していたのか。その壮大な企てをつぶしたのが、思い込みが非道い間抜け男の大真面目なコメディだったとはどういう事なのか。──読み終えるとすごい話だと思うけど、主人公の言動にいらいらさせられっぱなしでした。(笑) とはいえ、史実の約150年前に「フランス革命」がありえたのかについては、正直わからんな。2022/07/05

きゅー

8
レオ・ペルッツの作品の登場人物たちは、古典ギリシア悲劇のように運命の女神にもてあそばれる。そして歴史と個人の人生が交わる時間・場所へ向けて抗いようもなく引きずられていく。本作では運命の道化を約束された男テュルリュパンが、自らの意志とは別に歴史を変えることになる。卓越したストーリー展開で、余計な部分はまるでない。それでいながら切り詰められた雰囲気はせず、物語の外側の世界をゆったりと感じられる。舞台設定が古いこともあり古雅な印象を受けるが、骨太のストーリーとは裏はらに技巧的なテクニックの切っ先が鋭い。2023/07/03

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